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ドコモの「海外1Dayパケ」で韓国取材を乗り切る

【Galaxy S7 edge SC-02H】

 Xデーもささやかれる中、今(4月25日)、取材のため、韓国に来て原稿を書いている。本稿が無事に掲載されていることを、祈るばかりだ。それはさておき、韓国ではSIMカードは購入せず、ドコモの国際ローミングを利用することにした。

 ドコモのデータローミングは、2つに分かれている。1つは日本時間で1日がカウントされる2段階制の「海外パケ・ホーダイ」。もう1つが、24時間単位で課金され、最大30MBまで高速通信可能な「海外1Dayパケ」だ。デフォルトでは前者になっているが、My docomoなどで後者に変更することが可能。料金は前者が1日最大2980円、後者が国によって異なるが、韓国の場合は24時間980円になる。

韓国取材でのデータ通信は、ドコモの「海外1Dayパケ」で乗り切った

 料金的には約1/3と圧倒的にお得な海外1Dayパケだが、30MBという容量は非常に心もとない。30MBを超えたあとも通信は継続されるが、速度が大幅に落ちてしまうのが欠点だ。実はサービス開始直後、スペインで同サービスを利用してみたことがあったが、機内でスマホの電源を入れたところ、Google Playがアプリのアップデートを始めてしまい、空港に降り立ったころにはあっさり30MBを超えてしまっていた。

 現地のSIMを空港で買えたからよかったのだが、これでは使いものにならいと思い、以降はいざというときだけ、海外パケ・ホーダイを使うようにしていた。2980円は高いが、通信量に制限がないため、現地で大容量の通信が必要になったときなどの使い勝手はいい。とはいえ、10日使えば3万円にもなってしまうため、なるべく現地SIMで通信することを原則にしていた。

 この海外1Dayパケの使い勝手が、大幅に改善された。期間限定のキャンペーンなのは残念だが、9月30日まで、アメリカ、中国、韓国、台湾、タイ、香港、シンガポール、フィリピン、マカオ、グアム、サイパン、米領バージン諸島、ブエルトリコで、30MBの容量が撤廃され、文字通り使い放題になる。キャンペーン対象国での料金は、すべて980円。料金的にも容量的にも、この国に行く限りは、あえて海外パケ・ホーダイを使う必要がないというわけだ。

 現地SIMでこれより安い料金が設定されている場合もあるが、韓国は外国人向けのプリペイドSIMが買いづらい国の1つ。短期出張であれば、わざわざSIMカードをどうするかを考えるより、データローミングに頼ってしまった方が手っ取り早い。以前、中国でも海外1Dayパケを使ったが、中国のように現地の回線だと金盾によってアクセス制限がある国でも、大活躍した。それまでは中国移動香港のSIMカードでローミングしていたが、それと比べても料金は割安だ。

 利用にあたっては、あらかじめMy docomoなどでデータローミングサービスを海外1Dayパケに切り替えたあと、現地での設定が必要になる。筆者の利用しているGalaxy S7 edgeにはドコモ謹製の専用アプリがあるため、到着後、電波をつかんだら、アプリから「利用開始」のボタンを押し、データローミングをオンにすればいい。これで、データ通信が通るようになる。先にデータローミングをオンにしたところ、データ通信が始まらなかったので、順番には注意したい。

アプリから利用開始設定をしたあと、データローミングをオンにする

 iPhoneやSIMフリーのAndroidスマートフォンは少々面倒で、電話アプリを開き、「*135*1#」に発信しなければならない。実はドコモのAndroid用アプリも、利用開始のボタンを押すと、裏で同じコードを発信しているだけなのだが、アプリがないと、番号を覚えなければならない。連絡先などに登録しておけばいいが、この辺の使い勝手は要改善といったところだ。auの世界データ定額のように、Webにアクセスしようとした際にリダイレクトしてくれる方式の方が覚えやすいだろう。

 使い始めるまでに多少クセはあるものの、キャンペーン期間中の料金は非常に安く、データ容量が使い放題なのも魅力だ。これなら、あえてホテルのWi-Fiなどを使う必要なく、すべてテザリングでまかなうことができる。韓国ではしっかりLTEもつかんでおり、速度も十分だ。ただし、9月30日以降、どうなるのかが見えていない。すでにドコモはキャンペーンを1回延長しており、国・地域も途中で拡大している。

空港では、下り80Mbps以上の速度が出ていた。キャリアアグリゲーションも利用できていたようだ

 事実関係だけを列挙すると、9月いっぱいのキャンペーンとは思えないほど積極的なだけに、もしかしたら、2度目の延長も期待できるかもしれない。ドコモがうっかりキャンペーンを終了させるのを忘れてしまっても、誰も怒らないだろう。そういうミスなら、大歓迎だ。冗談はさておき、キャンペーン終了後も、容量無制限をそのままでというのは厳しいかもしれない。auのように毎月のデータ容量を消費する形でもいいので、ぜひ正式な料金に格上げしてほしいものだ。