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中国のGreat Wallを超える香港プリペイドSIMカード再び

【HUAWEI P9】

 10月半ば、取材で中国・深センに行くことになった。中国はご存知のように、「Great Wall of China」とも呼ばれるインターネットのフィルタリングシステムがあり、現地でプリペイドSIMカードを購入してもFacebookやTwitterなどを利用できず、Googleサービスなども利用できないため、渡航時は何らかの通信手段を用意する必要がある。

 もっともベーシックな方法としては、日本の各携帯電話事業者と契約したユーザーが国際ローミングサービスを利用して、現地の携帯電話事業者のネットワークに接続する方法。この場合は中国のフィルタリングが適用されず、普通の各サービスが利用できる。今回は滞在が3日間と短いので、それで乗り切ろうかと考えたんだけど、今年の夏以降、いろいろと細かい不満を残しながらも便利に活用してきたauの「世界データ定額」で、「1日あたり980円+データ通信量」という手軽さを体験してきた身としては、どうも「1日あたり2980円」という料金は払う気になれない。

今回はファーウェイのP9に装着して利用した。SIMカードはフル/micro/nanoの3種類が使えるタイプだった。中国語表だけでなく、英語表記もあるので、わかりやすい

 そこで、昨年、中国・北京を訪ねたときと同じように、香港で発行されるプリペイドSIMカードを購入することにした。昨年は中国聯通香港(チャイナユニコム香港)の「跨境王(Cross Border King Dual-Number Prepaid SIM)」というプリペイドSIMカードを購入したが、今回は「中国移動香港(チャイナモバイル香港)」の「4G/3GChina 10-day Data Prepaid SIM Card」を購入した。

 中国移動香港のプリペイドSIMカードも中国聯通香港の跨境王とほぼ同じ仕組みで、中国の携帯電話事業者が香港で主に旅行者向けに発行しているものなので、中国のフィルタリングの影響を受けずに中国本土でモバイルデータ通信が利用できる。プランとしては、10日間で1.5GBまで利用でき、容量を使い切った後は1MBあたり1.5HKドル(約20円)でデータ通信が可能だそうだ。

 このパッケージは本来、香港で売られているものだが、日本のAmazonでも並行輸入という形で販売されており、3000円で購入することができた。ただ、その後、大幅に値下がりしたようで、現在は2200円前後で販売されている。ちょっと損した気分……。そう言えば、9月にNTTドコモがチャイナモバイルのインターネット通販サイトに出店するなんていうニュースがあったけど、チャイナモバイルがdショッピングあたりに出店して、プリペイドSIMカードを売ってくれないかと妄想したけど、国際ローミングの売り上げが減るから、無理ですね(笑)。

 設定や開通作業についてはデータ通信のみの契約ということもあり、基本的には端末にSIMカードを装着して、標準で表示されるAPNを選ぶだけ。中国のフィルタリングに引っかかることもなく、快適にFacebookなどやGoogleマップなどのアプリを使うことができた。今回はファーウェイのP9を利用し、途中でテザリングも試したが、あっさりと使うことができた。

4Gネットワークに接続され、通信速度は十分なレベルで、快適に使うことができた
50香港ドルをチャージしたら、どうもボーナスが適用されたようで、残高が57.5香港ドルに。有効期限は2017年4月まで延びたけど、行く機会があるかな?

 ちなみに、海外で利用するプリペイドSIMカードというと、日本にいるときと同じように使いたいと考え、音声通話契約を含むプリペイドSIMカードを選ぶことが多いが、最近は友だちや家族との連絡はLINEやFacebookメッセンジャーなどのメッセージアプリが中心なので、渡航先でレストランなどに電話をかけるようなことがないのであれば、データ通信のみの契約のプリペイドSIMカードを選ぶのも悪くない。

 また、今回購入した中国移動香港のプリペイドSIMカードは、利用期間内に50香港ドル(約670円)以上をチャージすると、利用期間が180日、延長されるそうなので、深セン滞在中に50香港ドルをチャージしておいた。チャージについては中国移動香港のサイトの「Online Refill」で手続きができ、日本で発行されたマスターカードでチャージすることができた。ただし、データ通信パックは1GBで100HKドル(約1330円)なので、次回の渡航前にもう50香港ドルを追加する必要がある。

 こうした海外のプリペイドSIMカードは、渡航先で購入するスタイルが一般的だけど、今回の中国移動香港のように、渡航前に日本のAmazonで購入できるというのは心強い(並行輸入品だけど)。当初の価格差は現地価格の148香港ドル(約1970円)に対し、筆者が購入したときのAmazonの価格は3000円だったが、前述のように、現在は2200円程度まで下がってくれば、かなり買いやすい。今後、他の国と地域のプリペイドSIMカードも増えてくることを期待したいですな。