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Windows 10 Mobileスマホの状況をドバイで見てきた

 ここのところ目立った新製品のないWindows 10 Mobileスマートフォン。年明けあたりにMicrosoftから大型新製品が出てくることを期待したいが、海外へ行ったときに現地でどのように現行モデルが売られているかも気になるところ。ちょうど10月は中東のドバイの展示会へ行ったので、ドバイでWindows 10 Mobile端末がどんな状況になっているかを見てみることにした。

 まず、ドバイ市内を走る鉄道「ドバイメトロ」に乗ってみると、ちらほらとWindows 10 Mobileスマートフォンを持っている客を見かけた。その割合はヨーロッパなど他の国よりもやや多いかもしれない。恐らくNokiaのSymbianスマートフォンやフィーチャーフォンを使っていたユーザーがそのままNokiaのLumia→MicrosoftのLumia、と乗り換えたのかもしれない。意外なことに「iPhoneとNokiaのフィーチャーフォン」なんて組み合わせの人もちらほらと見かけた。通話だけならNokia、というのもここドバイではまだまだ多いのかもしれない。

ドバイモールの家電店。Windows 10 Mobileのアピールはしているものの、客の寄り付きはイマイチ
同じくドバイモール内のMicrosoftストア。LumiaよりもSurface推し

 一方、世界最大のショッピングモールと言われる「ドバイモール」へ行ってみたところ、家電店のスマートフォン売り場にはMicrosoftコーナーがあり、そこにはLumia 950、Lumia 950XL、Lumia 650、Lumia 550の現行モデルが全て売られていた。とはいえ、他のAndroidスマートフォンコーナーに比べると来客の数は少なく、むしろNokiaのフィーチャーフォンをまだ買う客がいたのには驚いた。通話専用機として使うのだろう。また無名メーカーのフィーチャーフォンのほうが価格は安いだろうが、「確実にいつでも通話できる」という点では、Nokiaに敵うものはないということだろうか。

 Windows 10 Mobileスマートフォンがそんな状況であることから、ドバイモール内にあるMicrosoftストアもPC専門店といった店の作りになっており、スマートフォンを買いに来る客はいないようにも思えた。店内が見えるガラスの壁にはSurfaceの広告が大きく出ており、Lumiaの文字は無し。ちなみにここは以前はNokiaストアだった場所だ。

GITEX2016会場で見つけたWindows 10 Mobile端末。B2B向けに需要があるそうだ

 さて、ドバイの展示会「GITEX2016」は、以前は中東を拠点に周辺各国へ製品を輸出する企業が集まるトレードショーだった。しかし今はITソリューションを中心とした内容に様変わりしており、モノよりもサービスやソフトが中心に変わっていた。怪しいインド製タブレットメーカーなどが以前は出展していたものの、今ではOracle、SAPなどが大々的な出展を行っていた。

 会場内を回ると端末メーカーもいくつか発見できた。その中の数社はWindows 10 Mobileスマートフォンを製品のラインナップに揃えているのだ。とはいえ、それらはコンシューマー向けではなくB2B、企業向けであり、一般には販売されていない。話を聞くとWindows CE機で物流などのアプリを使っていた企業が、アプリの移行が他OSよりも比較的楽なWindows 10 Mobileスマートフォンを求めているとのこと。

 似たような製品は数社が出していた。宅急便の配達人が持つモバイル端末など、Windows 10 Mobileスマートフォンは表に見えにくい部分で意外と普及が進んでいくのかもしれない。もっとも個人でも買える最新モデルがそろそろ欲しいところ。Surface Phoneが本当に出てくるのかどうか、筆者はリーク情報を毎日必死に漁っている。