みんなのケータイ

お金を扱うことが増えたのでセキュリティアプリを入れてみた

【Nexus 6】

 自宅のパソコンにインストールしているセキュリティソフトウェアのライセンスを更新する時期になり、改めて2016年版の内容や価格を他社の製品と比較して、今回ESETのセキュリティソフトウェアに変更することにした。個人で3台のパソコンを管理しているので、5台までの「ファミリーセキュリティ」ライセンスを契約し、順次インストールしていったのだが、購入したライセンスの対象OSにはAndroidも含まれていた。

 これまでなら、スマートフォンのパフォーマンスが落ちそうとか電池の消費が早くなりそうとかいう勝手な想像を理由に「また今度にしよう」とスルーしているところ。一方で最近は、銀行のアプリによるモバイルバンキングやクレジットカード会社のアプリなど、銀行口座の操作を含む、直接お金を扱うアプリを複数、定期的に利用していることもあり、セキュリティに対しては心配や不安が少し高まっていたのも事実だ。そこでAndroid向けの「ESET Mobile Security」も一緒に導入してみることにした。

 つまづいたのはAndroidアプリのライセンスのアクティベーション方法。Google Playからダウンロードできるアプリは、アプリ上から契約したライセンスでしかアクティベーションできないバージョンで、基本的にAndroidのみを対象にしたライセンスで契約するユーザー向けだ。

 筆者のように、パソコン版と統合されたライセンスを契約したユーザーは、ESETのWebサイトからAndroidアプリをダウンロードする形になっている。これはGoogle Playでの配信ではないため、Android側で「提供元不明のアプリ」にチェックを入れてからインストールする必要がある。アプリのバージョンアップもGoogle Play版とは別系統のままになるので、バージョンアップ時にも「提供元不明のアプリ」にチェックを入れた状態でダウンロードやインストールを行う。今後は、もう少しスマートになるよう、2つのAndroidアプリを統合してほしいと思った部分だ。

 Androidアプリ「ESET Mobile Security」を無事インストールして、しばらく使ってみたが、結果として、パフォーマンス低下や電池消費の増加に関しては杞憂だったようだ。メモリの消費量も平均的で、ウィジェットを動かしているお天気アプリのほうが消費している。なにか新しいアプリをインストールすると、通知エリアには少しだけ探査するアイコンが現れるが、すぐに終了する。余分な通知も少なく、ありきたりな感想だが、セキュリティアプリが起動していることをあまり意識させない動きになっていると感じた。

 「ESET Mobile Security」のアプリの画面では、電話帳にアクセスできるものや、位置情報の取得を行うものなど、セキュリティ上懸念される権限を持つアプリについてリストアップされ、確認できる。アプリをインストールしてすぐに起動した際に、なんとなく「はい」を押してしまっても、後から簡単にリスキーな権限を持つアプリを見つけられる。Android 6.0では、アプリの権限について後から確認や変更がしやすくなっているが、セキュリティアプリでまとめて確認できるのは分かりやすい。

新たにインストールしたアプリなどで、ESET上で権限や内容を確認していないものが強調表示されている
この例では、連絡先にアクセスする権限を持つアプリとしてQRコードスキャナーが最近インストールされたことが分かる
ウイルス検査はスケジュールで実施したり、充電中にのみ自動的に行ったりすることも可能

 筆者は普段「提供元不明のアプリ」はインストールを許可しない設定にしているし、あやしいリンクやバナーがまばゆいほど貼り付けられたサイトを巡回することもしていない。とはいえ、例えば知り合いのTwitterアカウントが未知の攻撃でのっとられ、自分のタイムラインに出てきたトラップなリンクをクリックしてしまい、これまた未知の脆弱性を突かれてスマートフォンが攻撃を受けてしまう、あるいは乗っ取られてしまう、というシナリオも無いとは言えない。

 「ESET Mobile Security」は、ウイルス対策において、新種や亜種にも強いとされるヒューリスティック機能のリアルタイム検出に対応している。マルウェアの検出の正確性を高める、クラウドレピュテーション(ESET Live Grid)もサポート。フィッシングサイトへの対策もある。Android独自の機能として、SMS・電話フィルターや、前述のインストール済みのアプリを監査する機能があるほか、電池の消費に配慮し、充電中にのみアプリや保存されたデータを検査する設定も可能だ。

 PC版と共通で、奇妙な男性型アンドロイドのキャラクターを妙にプッシュしているのは若干謎だが、使用感は謎の少ない、満足のいくものだと感じている。