ケータイ用語の基礎知識
第715回:国番号 とは
(2015/7/7 12:40)
日本は「81」
海外から日本へ携帯電話やスマートフォンを使って電話をかけるときには、「0」を長押しして「+」の文字を出し、続けて「81」、相手の電話番号から先頭の0を除いてから電話します。たとえば「03-1234-〇〇〇〇」という電話番号へ、海外から電話する場合は、「+81 3 1234 〇〇〇〇」と番号を押すのです。逆に、日本から海外へかける場合も、「0」を長押しして「+」を表示して番号を入力していきます。たとえば香港宛の場合は、香港の番号である「852」、そして現地の電話番号、というようにかけます。
今回紹介する「国番号」とは、「81」が日本、「852」が香港というように、その国ごとに割り当てられた番号のことです。「国際電話番号」と呼ぶこともあります。英語では「Country Calling Codes」や「Dial in code」、あるいは単に「Country code」などと表記されることもあります。
国際電話における電話番号に関しては、国際連合の専門機関の1つで、国際電話などでの各国間の接続に関する調整などを行う、「ITU(国際電気通信連合)」の電気通信標準化部門(ITU-T)が定めていて(標準E.123およびE.164)、国番号に関してはE.164で規定されています。ちなみにE.123では、国際通話となるような電話番号を表記する場合には、国番号の前に「+」をつけること、電話番号を市外局番、市内局番など意味的に分けたい場合は間に空白を記載するかハイフンを入れてもよいことなどが定められています。ちなみに、国内の電話番号で、市外局番をカッコでくくるという表記もE.123で定められた表記方法です。
国番号は、たとえば米国、カナダは「1」、フランス(本土)は「33」、日本が「81」、中国本土が「86」、香港が「852」、台湾が「886」、というように1桁から5桁までの番号が各国、地域に割り当てられています。ちなみに、北米、カリブ海、マリアナ諸島の国では、北米電話番号計画(NANP)というルールに従って「1-」に続く3桁の国/地域番号に、7桁の市内局番の組み合わせで電話番号が割り振られています。そのなかでも、たとえば「1-670」の北マリアナ連邦のように、米国・カリブ海・マリアナ諸島ゾーンの番号「1」と、国番号の「670」を合わせて、「国番号」と呼ぶ場合もあります。
また、国以外でも、たとえば国際フリーダイアル番号は「800」、イリジウム衛星電話番号「8816」「8817」、スラーヤ衛星電話の「88216」というように、サービスに割り当てられた国番号もあります。
これらの国番号は最初の一桁がゾーン分けされています。
番号 | ゾーン |
1 | 北米、カリブ海、マリアナ諸島の国 |
2 | アフリカ諸国 |
3/4 | 欧州 |
5 | ラテンアメリカ諸国 |
6 | 東南アジア、オセアニア |
7 | 旧ソ連 |
8 | 東アジア、特殊サービス |
9 | 他アジア |
これを知っていると、呼び出しで「+7…」という電話番号が端末に表示された場合は、その電話は旧ソ連の諸国からの電話であるということがわかるわけです。
ちなみに、このような国際電話用の国番号のほかにも、国番号にはたとえば、ISO3166で定められた3桁の数字による番号や、財務省貿易統計による国名符号などもありますが、電話に関する話題では、こちらのITU E.164で定められた国番号を指すのが一般的です。このE.164で定められた国際電話番号の体系のことを「E.164番号」などと呼ぶこともあります。
ITU標準のE.123およびE.164で定めてられている表記を使うことで、電話番号は国際的に一意な名前となります。たとえば、「090-1234-〇〇〇〇」という携帯電話番号は、日本だけではなく、世界のどこかに同じ番号があるかもしれません。しかし国際的なルールに従って国番号を付けた「+81-90-1234-〇〇〇〇」という表記は、世界中どこを探しても、この電話(に刺さっているSIM)にしか割り当てられていない、ということになるわけです。