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日本で一番安い? 通話料が30秒8円の「G-Call」に迫る
2022年4月4日 00:00
MVNOやMNOの廉価プランの登場により、月々の携帯電話料金が安くなっていると言う人も多いだろう。とくにギガ単価が安くなったおかげで、動画などの大容量データ通信をしても、数年前より安価な月額料金で済んだりする。
しかし、これだけデータ通信料金が安くなっても、通話料金はほとんど変わらず、どのキャリアでもたいてい「30秒あたり22円」だ。追加でオプション料金を支払うと定額でかけ放題になったり、「XX分までは何回でも追加料金なし」みたいな準定額になったりするオプションサービスを提供するキャリアもあるが、毎月コンスタントにそこそこ通話する人じゃないと使いづらい。
筆者もそうだ。多くても月に数回、マッサージや飲食店の予約の電話とかがあるくらいで、合計しても月に数分ずつ、500円もかからないことがほとんどだ。通話定額オプション料金を払うほどでもない小さな出費だが、この500円を安くできないのは微妙に悔しい。
そんな「そこまで通話頻度が高くないユーザーの通話料」を節約できるのが、「G-Call」のサービスだ。
基本料なしで通話料が安くなる「G-Call」
G-Callはいろいろなサービスを提供しているが、低頻度通話の料金を節約できるのは、G-Call標準の国内/国際電話サービスだ。こちらのサービス、 月額料金はかからず 、ちょっとした手間をかけるだけで、通話料が 30秒あたり8円 になる。
特別なアプリを使うようなIP電話ではなく、普通の携帯電話ネットワークの音声回線を使うので、スマホ標準の電話アプリからもかけられるし、発信先も普通の電話として受話することになる。発信者番号通知や通信品質、利用できるエリアなどは普通の音声通話と変わらない。
使い方としては、まず事前にオンラインで登録が必要となる。クレジットカードや請求者情報、そして通話料を安くしたい発信元の携帯電話の電話番号とその回線の通信会社を登録する。こうすると、登録回線からの特定の通話がG-Callを経由するように設定される。
発信するときは、発信相手の電話番号、090や03などの「前」に、4桁の番号を付け加える。このように電話番号の前に付け加える番号を「プレフィックス」などと呼ぶが、このプレフィックスが入ると、その通話だけG-Call経由のものとなる。ちなみにプレフィックスは登録後に通知されるが、通常は「0063」である。
しくみとしては、G-Callを提供しているジーエーピーが、大手の通信会社と大口契約をしていて、それを安価にユーザーに再販しているというものだ。
このプレフィックスの入った通話だけ別のネットワークを経由するという繋ぎ方、固定電話の遠距離通話や国際通話では一般的だった手法だ。
「プレフィックスを追加する」ことは手間のように思えるかもしれないが、G-Callではスマホ内の連絡先にプレフィックスを追加して発信するアプリも配信している。また、G-Callで電話をかけることの多いような相手の連絡先は最初からプレフィックスの入った電話番号も登録しておくのも良いだろう。
月額基本料金なし、通話料は国内8円/30秒。国際電話もお得に!
G-Callの基本サービスは月額料金はかからない。 G-Call経由として発信された通話は、相手が携帯電話でも固定電話でも、30秒8円となる。実は、ついこの間まで30秒10円だったが、3月から値下げされた。
普通の携帯電話契約だと、通話料金は30秒22円が一般的なので、 単純に1/3近くになる計算 だ。毎月の通話料が数百円になることがある人には嬉しい違いだ。
専用アプリを使ったり、同様にプレフィックスを使うような通話サービスは一部のMVNOなども提供しているが、そちらは安くても30秒10円なので、G-Callは最安クラスだ。
国際電話も同様に安い。たとえばアメリカ宛だと、G-Callは1分29円。正確には 6秒2.9円 、つまり6秒単位なので、ちょっとはみ出た分も2.9円に収まり、短い通話をたくさんするのに向いている。
NTTドコモは平日昼間は1分68円、それ以外は1分62円、auは1分40円、ソフトバンクは1分79円。アメリカはG-Callとの価格差が小さい方だ。また、大手はいずれも30秒単位なので、短い通話だとはみ出た分、数十円を余分に払うことになる。
G-Callは基本料金がかからない ので、通話料が月毎に上下し、たまに月1000円を超えるけど、普段は500円未満、みたいな人にもおすすめだ。毎月ほぼ必ず2000円を超えるなら、各キャリアが提供する通話定額系のオプションを検討するべきだが、あまり通話しない月があると、オプション料金分を使いきれないので、ちょっと損をしてしまう。
基本料金のかからない標準サービス以外にも、G-Callは「10分かけ放題オプション」を提供している。こちらは月額770円で、名前の通り、10分までの通話がかけ放題となる。他社のかけ放題系オプションだと、月額800円前後のものは5分までの通話に適用されるものなので、5分だと微妙に短い、という人におすすめなサービスだ。
請求先を分けられるので法人ユーザーなど業務用途でも便利
プレフィックス付きの発信だけ別の請求となるのは、ある意味では面倒かもしれないが、逆に法人ユーザーや自営業にとってはメリットともなる。
たとえば、従業員の個人のスマホや回線をG-Callに登録し、業務での発信はG-Call経由にしてもらうようにすれば、従業員に業務用のスマホと回線契約を支給する必要がなくなる。G-Callの支払いは会社側にしておけば良い。G-Callは1つの契約で無制限に番号を登録できるので、従業員が何人いてもOKだ。個人事業主だって 仕事の通話だけG-Callにしておけば、そちらだけ経費として計上し、家計消費と正確に分けること もできる。
ただしこの場合、業務の電話も発信者番号が個人の電話番号になってしまうので、ここは注意する必要がある。業務用の電話番号が必要で、さらに通話料金も安くしたいならば、「G-Call SIM」や「G-Call 050」という選択肢がある。
音声通話対応でも2GBで858円からの「G-Call SIM」
G-CallはMVNOサービス「G-Call SIM」も提供している。こちら、料金水準としては比較的安く、月額基本料は2GBプランで858円から20GBプランで1958円までラインナップされている。ネットワークとしてはNTTドコモを使っていて、5Gも利用できる。こちらでも10分かけ放題オプションは利用可能だ。
ただしG-Call SIMの契約回線でも、普通に発信した場合は30秒22円となり、30秒8円や10分かけ放題オプションの対象となるのは普通のサービスと同様にプレフィックスを付与した発信、もしくはアプリ経由での発信のみとなる。メリットとしては料金請求が一本化できるというところになる。
個人ユーザーが安いMVNOとして利用するのも良いが、法人ユーザーが従業員にスマホを支給したり、従業員のデュアルSIMスマホに業務用のSIMカードを支給するなら、G-Call SIMは通話料も合わせて請求されるのでメリットなるだろう。
なおG-Call SIMは4月末までキャンペーン中で、期間中に契約すれば、新規契約・MNPどちらでも契約事務手数料(3300円)、月額料金が無料となり、データ通信量も3ヶ月間+1GBとなる。
手間はかかるけど安くて独自番号を保持できる「G-Call 050」
ちょっと特殊ではあるが、法人ユーザーも個人ユーザーも、通話機会が多いなら「G-Call 050」も検討するべきだろう。
G-Call 050はいわゆるIP電話サービスだ。月額308円で050から始まる電話番号が発行され、専用アプリで発話・受話する。携帯電話宛の通話料は1分17.6円なので、普通のG-Callと同じ(というか30秒単位ではないので場合によっては若干高くなってしまう)だが、固定電話宛は「3分」あたり8.8円とかなり安い。
また、IP電話なので海外への通話がかなり安い。たとえば、アメリカ宛であれば1分5円と国内の携帯電話相手よりも安い。海外渡航時、普通の携帯電話だと発着信にローミングフィーが加算されるが、G-Call 050はデータ通信さえできれば通話料は変わらない。
なお、G-Call 050はIP電話なので、データ通信を使う。通話品質は回線状況によっては劣化してしまうが、いまどきの4G/5Gならばむしろ高音質になるし、高速移動中とかでなければ劣化の心配もない。
変わった使い方としては、データ通信専用の回線契約でもG-Call 050は使えるし、Wi-Fi環境下であればSIMの入ってないスマホやタブレットでも使えてしまう。ただしSMSは使えないし、110などの緊急通報が発信できないので、これをメインの回線にすることはお勧めできない。
このG-Call 050、月額308円で専用の番号が発行されるので、実は法人ユーザーにとって使いやすい。通常のG-Callのサービスだと発信者番号が従業員の電話番号になってしまうし、受話する電話番号も従業員の電話番号になってしまうが、G-Call 050なら業務用の電話番号を月額308円で保持できる。
新生活シーズンにもおすすめのG-Call
春の新生活シーズンということで、各社がキャンペーンなどを打っていることもあり、通信料金の見直しにも最適なシーズンとなっている。その中で、通話料金もちゃんとチェックしておきたい。
タイアップ企画の記事でこう言ってしまうのはなんだが、ぶっちゃけ、最近はLINEなどのメッセージばかりで、通話はほとんどないという人は少なくないだろう。家族や友人との連絡は、LINE通話を利用する機会が多いだろうし、無料でコミュニケーションできるサービスを利用するユーザーも多いだろう。
しかしそれでも、音声通話はまったく不要にはならない。とくに新生活シーズンは手続きや問い合わせなどで電話を発信する機会が少なくない。そのくせ手続きや問い合わせの電話は待たされたりして長時間になりがちなので、少しでも単価の安い通話手段を使いたいところでもある。そうした機会に備え、G-Callを使えるようにしておくことをおすすめしたい。