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BIGLOBEの新モバイルサービス「donedone」、大容量でホントにおトクなの?
2021年10月4日 00:00
今、モバイル通信サービスは百花繚乱、様々なサービスやプランが溢れているが、その中でもひときわ異彩を放っているのが、BIGLOBEの新サービス「donedone(ドネドネ)」だろう。
au回線を使用したサービスで、その名前にもあるように毎月のモバイル通信の基本料金の一部が、ドネーション=寄付されるしくみ。
サービスを利用するだけで、社会貢献に寄与できるのが大きな特徴だ。支援する団体は申込み時に教育支援、健康支援、海洋保全、医療支援、環境保全の5分野から、ユーザーが自分で選ぶことができる。
ほかにはないサービスだけに、どうしても「社会貢献活動」というところにだけ注目が集まりがちな「donedone」だが、 実は料金プランそのものもかなりユニーク だ。
ベーシックUプランとカスタムUプランの2種類
プランの成り立ちはシンプルで、月額基本料金2728円(内50円が寄付される)で月に50GBまで利用できる。
ただし通信速度には上限が設けられていて、「ベーシックUプラン」では最大3Mbps、「カスタムUプラン」ではよく利用するアプリ3つを速度無制限にできるが、それ以外は最大1Mbpsとなる。
プラン | 速度 |
ベーシックUプラン | 最大3Mbps |
カスタムUプラン | アプリ3つは無制限、それ以外は1Mbps |
月に50GBというデータ通信量は、大手キャリアが今の5G向け無制限プランを導入する前に設定していた水準。言うまでもなく無制限に迫るかなりの大容量だ。
筆者は以前、月額7000円を超える料金を支払って上限50GBのプランを契約していたが、容量を気にせずがんがん使っているつもりでも、1度も使い切ることはできなかった。
その大容量を「donedone」では月額2728円で利用できる。ただし気になるのは「ベーシックUプラン」で最大3Mbpsという速度制限だ。
“3Mbps”、実際どうなの?
5Gが広がりつつある時代に3Mbpsという速度は、「ちょっと遅いのではないか」と思う人も多いだろう。
筆者自身、大手キャリアの大容量かつ速度制限のないプランも使っているので、実際に「donedone」を実際に試してみるまではものすごくストレスフルな日々を想像していた。
だが、先に結論から言ってしまうと、 今ごく「普通」にスマホが使えている 。「iPhone 12 Pro Max」で「ベーシックUプラン」を1週間ほど試してみているが、正直なところSIMを入れ換えていることを忘れてしまうくらい。
たとえばランチタイムも夕方も、遅くなることはなかった。ある日、夕方の混み合う新宿近辺でも使ってみたが、体感はまったく変わらなかった。
メッセージングアプリの使い心地は
まずはスマホで最もよく利用する機能のひとつである、メッセージアプリ。筆者はプライベートとビジネス、相手によってLINE、Facebookメッセンジャー、Slackを使い分けているが、その使用感はこれまでと何一つ変わっていない。
テキストやスタンプ、写真などのやり取りはもちろん、LINEについては通話やビデオ通話も、音声や映像が乱れたり、遅延が発生したりすることなく、いつも通りに使えている。
特にLINEビデオ通話は今、離れて暮らす家族と顔を合わせられる貴重な手段になっているので、これがストレスなく使えるのはうれしいポイントだ。
なお余談だが、メッセージアプリといえば、9月からMVNOでも「+メッセージ」が使えるようになった。
「donedone」でももちろん利用可能で、電話番号しか知らない相手ともスタンプや画像をやり取りできる。筆者は仕事で+メッセージもよく使うので、その点でもこれまで通りのコミュニケーションができている。
SNSもばっちり!
次いで利用頻度の高いSNSも、これまでとほぼ同じようにに使えている。
TwitterやFacebookのタイムラインには写真も多いが、表示に時間がかかるようなことはない。
時折流れてくる動画もタップするとすぐに再生されるし、自分のタイムラインへの写真の投稿なども、いつも通りサクっとできる。
あえて言うならInstaglamだけ、スクロールが速すぎると表示が追いつかずに少し遅れることがあるが、ストレスに感じるほどではない。
Webブラウジングも同様に、サイトによっては画像の表示がほんの少し遅れることがあるが、遅れて表示されるのはたいてい広告やSNSへのリンクなどで、これも筆者にはほとんど気にならないレベルだ。
720pの動画をサクサク
さすがに動画の再生ではストレスを感じるのではないかと思っていたのだが、720pの画質であればYouTubeの映像も、待たされたり滞ったりすることなくサクサクとザッピングできる。
50GBという大容量もあって、ギガの残りを気にせずに動画が楽しめるのは好印象。
また、もし万が一50GBを使い切ってしまっても、いきなり128Kbpsにどーんと速度が落ちるのではなく、引き続き最大1Mbpsで通信できる点も安心だ。
YouTubeだけでなく、Zoomなどを使ったウェビナーにも普通に参加できているし、個人的にハマっている位置情報ゲームもはかどっている。
今のところ筆者のスマホの使い方の範囲で、最大3Mbpsの速度制限を感じるのは、唯一アプリストアから大容量のアプリをダウンロードするときくらい。それも自宅にWi-Fiがあれば事足りるので、普段使いのモバイル通信手段として十分に使えるというのが、この1週間試してみた感想だ。 「donedone」のベーシックUはオススメできるプラン だ。
YouTubeでもっと高画質な動画を見たいとか、Instagramを高速にスクロールして見たいという人は、 「カスタムUプラン」でそれらのアプリを選択すれば、アプリ3つまで速度無制限で利用できる 。しかもこの3つのアプリは、いつでも変更が可能というフレキシブルさだ。
対象となるアプリは今のところ、SNS、動画、音楽、ゲームの4ジャンル10種類だが、今後さらに増やしていく方針とのこと。また筆者のようにサービスを試してみたい人向けには、クーポンコードを使うことで、「ベーシックUプラン」または「カスタムUプラン」の速度が14日間試せる、基本料金0円の「エントリープラン」も用意されている。
「エントリープラン」は基本料金が0円(別途、新規契約事務手数料3300円はかかる)なのでドネーションの対象にはならないが、お試し後も通信速度は128Kbpsとなるものの、回線をそのまま維持できる。
近い将来にはオンライン本人確認のeKYCや、申込み後即時発行できるeSIMにも対応予定で、申込みもより手軽にできるようになるだろう。
人口カバー率99.9%のauの4G LTEエリアが利用でき、大容量50GB、2728円という料金水準 はほかにはないだけに、ずっと気になっていた「donedone」。
今回実際に「ベーシックUプラン」を試してみて、最大のネックだと思っていた速度制限が意外にも使えることがわかり、これで社会貢献もできるなら「これはあり!」というのが筆者の結論。 「ベーシックUはオススメ」 だ。
10月初旬には5Gにも対応し、「カスタムUプラン」では選択したアプリもさらに快適な通信環境が期待できそう。次はぜひ「カスタムUプラン」も試してみたい。