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凄い!!! ソニーモバイル「Xperia PRO」と「α7S III」なら1分でライブ配信できる!

ソニーモバイル「Xperia PRO」とα7S III

 2月10日に発売されたソニーモバイル「Xperia PRO」。税込み約25万円というオドロキの価格だが、その名の通り、プロ向けのスマートフォンなのである。

 どういうプロ向けかと言えば、通信社やフリーの報道カメラマン、プロフェッショナル映像クリエイター、あるいはYouTuberやVloggerなど 映像の仕事で稼いでいる人たち だ。5G通信(Sub-6/ミリ波)対応であること、世界で初めて(※)HDMI入力に対応し、カメラと接続できるといった要素が、そんなプロを支えるのだという。

※スマートフォンとして。2021年1月26日現在、メーカーの公式発表に基づく。ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)調べ

Xperia PRO本体下部にはHDMI端子(micro HDMI)がある。この端子を経由して各種映像機器からの映像を入力できる。

 何が凄いかって、 デジタルカメラの動画をそのままXperia PROでライブ配信できてしまうのである。しかも超絶簡単に!!!

Xperia PROとα7S IIIだけでライブ配信を行える。デジタルカメラは他の機種でもOKで、ビデオカメラを接続することも可能。

 具体的には、Xperia PROとα7S IIIをHDMIケーブルでつなぎ、Xperia PRO上のライブ配信アプリ(YouTube/別途インストールすればStreamlabsも)から配信できる。α7S IIIは非常に高画質なミラーレスカメラだが、Xperia PROとつなぐだけでその高品位映像をライブ配信可能ッ!!! すっご〜い!!! てなわけである。

 いや〜、いきなり未来が来たッ!!! という感じ。スマートフォンとデジタルカメラだけで、いつでもどこでもライブ配信。

 ライブ配信というだけなら、スマートフォンのみで行える。スマートフォンの内蔵カメラを使って、スマートフォンの通信機能で映像を配信すればいい。しかし、画質面では、スマートフォン内蔵カメラよりもデジタルカメラのほうが上回る。

 Xperia PROの場合、デジタルカメラの映像をそのままライブ配信可能。レンズ交換式デジタルカメラなら、配信のシチュエーションに最適なレンジのレンズを使える。超望遠レンズだって使える。Xperia PRO+デジタルカメラというたった2つの機材の組み合わせでそんなコトができるって、やっぱり凄い。

デジタルカメラの映像をそのままライブ配信できる。スマートフォン単体でのライブ配信と比べると映像クオリティの差は圧倒的だ。レンズ交換式デジタルカメラを使えば、幅広い焦点距離のレンズを活用できる。

 プロにとっては「Xperia PROとデジタルカメラだけで5G利用の高品位ライブ配信が可能」となれば、「25万円でソレができちゃうのか!!!」とザワつくと思われる。

 なるほど、Xperia PRO。そういうプロ用スマートフォン……いやプロ用映像機材なのか。納得。

Xperia PROなら“ほんの数タップ”でライブ配信できる

 Xperia PROとデジタルカメラを接続してのライブ配信が、実際どのくらい容易なのかお目にかけたい。以降で使う機材はXperia PROとα7S IIIだ。

 ちなみに、カメラはHDMI出力があるものであれば、多くのデジタルカメラをライブ配信用に使える。実際に筆者宅にあった3台のデジタルカメラ(コンパクトデジタルカメラおよびミラーレスカメラ)の全てがXperia PROとHDMI接続でき、ライブ配信を行えた。

 据え置きで撮影するなら三脚があれば安定する。手に持ちながら撮影するなら、「スタビライザー(ジンバル)」と呼ばれる手ブレを抑える機材や、マイクなどの周辺機器を備えられる機材を組み合わせて「リグ」として活用してもいいだろう。今回はα7S IIIのアクセサリーシュー(ストロボなどを装着する場所)にスマートフォンホルダーを装着した。

 ともあれ、どんな手順でライブ配信していけるのか? YouTubeを例として、実際の手順を見ていこう。

【ステップ1】Xperia PROをα7S IIIに据え付ける

 デジタルカメラとXperia PROを合体させてリグを組む。

【ステップ2】HDMIケーブルでつなぐ

 デジタルカメラとXperia PROをHDMIケーブルで接続する。

【ステップ3】アプリを起動し、配信情報を設定する

 YouTubeアプリを起動する。

 画面中央下の○に+マークをタップしてコンテンツを新規作成する。

 「ライブ配信を開始」をタップ。

 ライブ配信名を付けたり、必要に応じて公開設定などを変更する。右上のカメラアイコンをタップすると、配信する映像ソース(Xperia PRO内蔵カメラやHDMI接続したデジタルカメラ)を切り替えられる。

【ステップ4】いざライブ配信

 設定が済んだら「次へ」をタップする。

 「ライブ配信を開始」をタップする。

 ライブ配信が開始された。

配信までの流れまとめ

 基本的にはXperia PROとデジタルカメラをHDMI接続するだけ。後は少々の配信設定を済ませて画面を進めるだけなのだ。カンタ~ン♪

 なお、Xperia PRO上のYouTubeアプリを使ってライブ配信する場合、チャンネル登録数が1000人以上のアカウントが必要になる。ただ、その登録者数を持っているユーザー以外はライブ配信できないかと言えば、そういうわけでもない。

 たとえばStreamlabsアプリを使う方法がある。ここでライブ映像の送信先をYouTubeにすることができる。つまりは、こうしたアプリを使えば、途中ワンクッション入るものの、YouTubeでライブ配信できるというわけだ。またこれらのアプリでは、 YouTube Live配信時の上限画質(720p)を超えた高解像度で配信することもできる

【ステップ1】アプリを起動し、左側の「Steam yourself」をタップ
【ステップ2】配信先としてYouTubeを選ぶ
画面の下部中央にある「GO LIVE」をタップして配信スタート

 HDMIで接続したデジタルカメラのマイクから音声が配信される。より高音質で配信したい場合、デジタルカメラ側に外付けマイクなどを装着するといいだろう。

【動画でチェック! 「1分で始められるXperia PRO×α7S III」ライブ配信の手順】

Xperia PRO×α7S IIIでできるお手軽&高品質なライブ配信

 前述のとおり超簡単にライブ配信を行えるXperia PRO。やはりデジタルカメラの専用機の映像をライブ配信できるというのが大きな魅力だ。説明するまでもないが、デジタルカメラにはスマートフォンのそれとは比べ物にならない画質や利便性がある。先述した通り、滑らかにパーンやティルトができる雲台もあれば、画像の揺れを吸収するジンバルなどの周辺機材もある。

一見、普通のスマートフォン。しかし実際は5Gで、離れた場所とネットをライブでつなげられる機器でもあるのだ。

 超高感度のα7S IIIでの夜景ライブ配信も楽しそうだ。パソコン不要で「スマホ×デジカメ」だけと、手軽に持ち運べるため、自分の体験を視聴者に共有させるライブ配信もできる。たとえば船に乗って東京の運河めぐりといった、移動しながらのライブ配信コンテンツだ。

 ちなみに、試してみたところHDMI出力があるハンディカムなどのビデオカメラとXperia PROを組み合わせても、容易にライブ配信ができた。

ソニーのデジタルHDビデオカメラレコーダー「HDR-PJ800」とXperia PROをHDMI接続した様子。この状態でビデオカメラの映像をライブ配信することができた。

 Xperia PROはUSB給電しながら前述のようなライブ配信を行うことができるので、モバイルバッテリーを併用すれば長時間のライブ配信も現実的だ。

そもそもXperia PROってどんな端末?

 ここでXperia PROがどんなスマートフォンなのかを軽くご紹介したい。

 Xperia PROは、ソニーモバイルのフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 II」をベースにしたスマートフォン。

 5G対応で、Sub6に加えて、ミリ波に対応。Xperia PROの上下左右の側面にミリ波用アンテナが配置され、360°全方位をカバーし、ミリ波の超高速通信を行える。

 Xperia PRO本体はソニーのデジタル一眼レフカメラ「α」シリーズのようなシボのある質感だが、実は樹脂でできている。ミリ波は金属などの遮蔽物があると途端に通信が途切れてしまうが、本体が樹脂であり4つのアンテナが備わっていることで、スマートフォンホルダーなどによる固定やデジタルカメラとの位置関係がどのようであっても、ミリ波通信が途切れにくいそうだ。

Xperia PROの背面や側面は、シボ加工されたマットのブラック。カメラとして黒く反射のないボディだと、ガラス面などへの映り込みが少なくて撮影に有利だ。樹脂製としたことで、5Gのミリ波による安定した通信を可能にしている。

 一方でXperia 1 IIで使えたおサイフケータイやQi充電は、Xperia PROでは省かれていたりする。

 他の違いは以下の表にまとめてみた。一部の仕様が違うものの、ほとんどの仕様はXperia 1 IIと共通している。

機種Xperia PROXperia 1 II(SIMフリー)
大きさ171×75×10.4mm166×72×7.9mm
重さ225g181g
ディスプレイ6.5インチ、21:9、4K HDR OLED
チップセットSnapdragon 865 5G
メモリー/ストレージ12GB/512GB12GB/256GB
メインカメラ16mm:約1220万画素/F値2.2/デュアルPD
70mm:約1220万画素/F値2.4/OIS
24mm:約1220万画素/F値1.7/デュアルPD/OIS
3D iToFセンサー
オーディオAJ、ステレオフロントスピーカー、Dolby Atmos
ネットワーク5G(Sub6/ミリ波)5G(Sub6)
接続性Bluetooth、NFC、HDMIBluetooth、NFC、FeliCa
バッテリー容量4000mAh

他にもこんなことができる♪

 またHDMIでデジタルカメラなどとつないで、ライブ配信だけではなく、外部モニターとして利用できる。

デジタルカメラなどの外付けモニターとして利用できる。拡大して映像の細部を確認することも可能だ。

 Xperia PROの表示品位は非常に高い。約6.5インチの4K対応有機ELディスプレイ(3840×1644)で、仕様自体はXperia 1 IIと同じだが、出荷時に 「1台ごと個別に色温度の調整を行っている」 そうだ。クリエイターモードの初期値(D65)は、ソニー製マスターモニターを基準に、色温度を個体ごとに調整して出荷している。映像制作現場のクリエイターのこだわりの色調を再現できる。HDR規格と色域「BT.2020(Rec.2020)」に対応し、4Kや8K放送で標準化されている色域に対応している。

 なので、単にモニターとしても使えるョ!!! というだけなく、プロが現場で正確な色合いを確認するための機材としてバッチリ使えるというわけだ。

 前述のとおり、Xperia PROはXperia 1 IIをベースとした端末。Xperia 1 IIの大きな魅力であるカメラ機能も継承している。

 具体的には、アウトカメラが超広角/標準/望遠の3眼カメラ(各約1220万画素)。それぞれの35mm判換算焦点距離は16mm/24mm/70mmとなっている。また、3D iToFセンサー(より高精度なAFを実現する測距デバイス)も搭載している。インカメラは約800万画素のものを搭載。

Xperia PROのカメラ部。
静止画撮影用の独自アプリ「Photography Pro」。デジタル一眼カメラのαシリーズを扱うような感覚で、細かな設定をスムーズに行いつつ撮影できる。
動画撮影用の独自アプリ「Cinematography Pro」。ソニーのプロ用シネマカメラで撮影している感覚で、映像作りを楽しめる。

 こうしたハイスペックなトリプルカメラがXperia PRO自身に備わっていることで、サブカメラとして活用することもできるし、Xperia PRO単体でのライブ配信も高いクオリティで実現できる。

 独自の静止画用アプリを使っていて非常に好印象なのが、本体右側にあるカメラキー。半押しでフォーカスが合い、さらに押し込むと撮影できるという、デジタルカメラに共通する操作感があるのだ。ちなみにカメラキーの左にあるボタンは、好みの機能を呼び出せるショートカットキーだ。

右端のボタンがカメラキー。半押しに対応し、操作感はデジタルカメラと同様だ。電源オフの状態で長押しすることでカメラ機能を起動させられ、手軽に細かなや撮影ができる。

 カメラキーの操作感はデジタルカメラに似ているという程度ではなく、「まさにデジタルカメラ!!!」という使いやすさがある。さっすが〜♪

 ……考えてみたら、Xperia PROのようなプロダクトって、ソニー以外でどのメーカーが作れるのかな? と思ったりした。世界初のHDMI入力対応や表示品質の高さについても、 プロ向けからコンシューマーまで多数の映像機器を作っているメーカーだからこそ 。先進的な5G対応についても、スマートフォンメーカーとしてのノウハウがあるからにほかならない。

 そういったノウハウの結集感。そして前述のとおりの驚くべきライブ配信機能の使いやすさ。凄い技術が集中している世界最高の端末って感じで、Xperia PROにますます強い魅力を感じる筆者なのであった。いやホント凄い端末なので、機会があればぜひ一度Xperia PROに触れてみてほしい。