■Xperia acro 石川 温編
今年、スマートフォン業界としてのニュースと言えば、ひとつには日本メーカーの相次ぐ参入があっただろう。昨年のシャープに続き、NECカシオ、パナソニック、京セラと言った日本メーカーもAndroidに参入。グローバルメーカーが存在感を出している中、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線といった日本特有機能への対応を一つの売りにしている。
そんななか、グローバルメーカーでありながら日本特有機能で差別化をしてきて、ヒットを飛ばしたのがソニー・エリクソンだ。Xperia acroはNTTドコモとauというマルチキャリア展開もあって、本当によく売れた。「Xperia」というブランド力とタイミング良く日本特有機能を載せてきた点は評価に値する。
実際に所有してみて思ったのが、スマートフォン一台でおサイフケータイも使えるというのは快適だという点だ。すべてを一台でこなせるという利便性。これはなかなか代えがたいものがある。ワンセグ、赤外線は決して多用はしないが、いざという時に使える安心感が大きい。ケータイやIT業界ではない人との飲み会など、いまだに「ケータイと赤外線通信」というシーンもゼロではない。そんな時でもXperia acroは大活躍してくれる。
個人的に気に入ったのが、発売後に行われたバージョンアップだ。「Facebook inside」として、アドレス帳とFacebookとの連携が強化されたのだ。アドレス帳を開けば、友達の近況がわかり、友達のオススメする音楽などをチェックできる。友達がアップした写真も簡単に確認できる。これまでケータイのアドレス帳というのは全く進化してこなかったが、Facebookと連携したことで、アドレス帳がエンターテイメントになってしまったように思う。アドレス帳とFacebookとの連携はWindows Phone 7も手がけているし、いくつかのメーカーも試行錯誤を続けている。XperiaもTimescapeは期待はずれに終わった感があるが、Facebook insideはかなり面白い仕上がりになっていると思う。
2012年はますますこの「スマートフォン×ソーシャル」の融合が進んでいく思われる。ソニーの完全子会社となるソニーが、このFacebook insideのアドバンテージをタブレットや他のデバイスに活かせるか。今後に注目と言えそうだ。
2011/12/27/ 17:30