iPhone駆け込み寺

「iOS 16」でiPhoneで音声入力がより便利に、より実用的になったことを知ってほしい

音声認識中はカーソルに何語なのかが表示される。ここで言語切り替えも可能

 iOS 16では音声認識による文字入力機能が強化されている。音声入力自体は以前からある機能だが、ユーザーインターフェイスなどが変更されている。具体的に言うと、iOS 15以前の旧バージョンでは、音声入力中はキーボード表示が消えていたが、iOS 16の新バージョンでは、音声入力中もキーボードが表示される。

 この変更により、音声入力とキーボード操作をシームレスに併用できるようになっている。音声入力が不得意とする記号や空白、改行の入力、カーソル操作、音声が誤認識したり、しゃべり間違えたときに修正するのも簡単になった。旧バージョンだと記号入力や修正のたびに音声入力を終了する必要があったが、その手間がかからなくなっていて、かなり実用性が向上している。

 音声入力の精度も上がっているようだ。また旧バージョンと異なり、句読点も適度に自動入力してくれるようになっている。こうした改善により、長文入力時の実用性が格段に向上している。

「キーボード」で設定する。初回起動時の設定などによってはオフになるので、マイクアイコンが表示されてない人は要チェック

 音声入力は、「設定」アプリ内の「一般」-「キーボード」にある「音声入力言語」で使いたい言語が有効になっている必要がある。あとは文字入力する際、キーボードの右下のマイクアイコンをタップすれば良い。ちなみに検索ワードを入れるフィールド部分のマイクアイコンをタップすると、従来通りキーボードが消えて音声だけで入力するモードとなる。

 筆者も試しにこの記事の原稿の下書きを音声入力機能で入力している。誤入力もそこそこあるし、しゃべり間違え、入力した文章が気に入らない、と言ったことは多々あるが、今回の改善によりすぐに修正できるようになったし、改行や句読点なども入力しやすい。スマートフォンでは弱点だった長文入力がスムーズになるので、筆者のような文章書き職には下書き執筆などで実用性があるし、普通の人もメールなどで便利に使えるはず。

 認識精度や音の拾いやすさは、iPhone内蔵マイクでも不満はない。声が遠すぎるとか小さいとかでない限り、高精度に音声を認識してくれる。ある程度の声量と明瞭さがないと認識精度が落ちるが、普通の会話の声量よりやや小さいくらいでもOKなので、電車やカフェなどでも、会話が許されているような場面なら使うことができそうだ。まぁ入力内容を周囲に聞かれてしまうのだけど。

 Bluetoothヘッドセットなどの使用中は、そちらのマイクで音声認識できる。試しに筆者私物の「AirPods Air」、Shokzの「OPENMOVE」、アドバンスト・メディア「AmiVoice WT01」(2アレイの高指向性マイク)を使ってみたが、問題なく文字入力できた。しかしいずれの場合も、ささやき声では認識精度が落ちていたので、やはりそこそこの声量は必要となる。

 ヘッドセットを使えば、iPhoneを顔の近くで把持し続けないで文字入力できるが、どちらにせよ認識された文字列を随時確認するためにiPhoneを手に持っておく必要があるので、ヘッドセット利用のメリットはそこまで大きくない。

 ちなみにこの機能、インターネット通信を必要とせず、iPhone内で認識処理がなされるので、ギガも消費しないし、機内モードでも利用できる。使って損のない、使い方を覚えておくと得する機能だ。