レビュー

注目集まるSNS「BeReal.」、即時性だけじゃないその魅力とは?

 若年層を中心に人気となったSNS「BeReal.」。2020年に公開され、2022年には米Apple(アップル)のApp Store AwardでiPhone向けのベストアプリに選ばれている。日本でも、すでに人気アプリとして知られており、ヤフー・データソリューションにおいては、2024年にヒットが期待されるキーワードとして選ばれている。

 「BeReal.」の魅力はいったい何なのか? 実際に試してみた。

そもそもBeReal.って何?

 「BeReal.」の仕組みはとてもシンプルだ。

  • 1日1回、不定期なタイミングでアプリから通知が届く。
  • 通知が届いてから2分以内に写真を撮影し投稿する。遅れても投稿はできるが、「○時間遅れ」と表示される。
  • アプリ内のシャッターを押すと、スマートフォンの外カメラ・内カメラ両方で同時に撮影が行われる。フィルターや編集機能はない。投稿前に写真を確認し、撮り直すことはできるが、「○回の再撮影」と表示される。

 「映え」を意識することや「盛る」ことを徹底的に阻止するようなつくりになっている。しかしそのおかげで、同じ瞬間に友達が何をしているのか、リアルな姿を共有できるのだ。

試してみた

 アカウント作成には電話番号が必要となる。認証をすませ、ユーザーネームなどを設定すれば登録完了。

 各種の設定も忘れずに確認する。「友達をつなぐ」という項目では、自分の投稿の公開範囲を友達のみにするか、友達の友達までにするか選ぶことができる。「タイムゾーン」では、自分が現在いる地域を選ぶ。こうすることで、日本時間の深夜・早朝に通知が送られてくることを防げるというわけだ。

「友達をつなぐ」はデフォルトでオンになっていた。オフにすると、公開範囲は自分の友達のみになる
選べる地域は4つ

 写真を投稿できるのは、通知が来てから次の日の通知が来るまでのあいだに1度だけ。投稿すると、次の通知が来るまでのあいだのみ、友達の投稿を見ることができる。投稿にはコメントやリアクションもできる。

間に合わなかった
友達が投稿したことはわかるが、自分はまだ投稿していないので、見られない
デビュー作
ほのぼのとした交流が生まれた

おもしろいところ

即時性

 「BeReal.」のおもしろいポイントはやはり、撮って即時に投稿しなければならないということだ。インスタグラムのストーリーやスナップチャットなどとも異なり、写真を編集したり、下書きに保存しておいたり、アルバムの中の画像を投稿したりということはできない。そのため、生活のリアルな一コマを友達と共有することになる。

 ちなみに、通知から2分以内に投稿というルールはほとんど守ることができなかった。

間に合わなかった

 2分の縛りをゲーム感覚で楽しめる余裕があれば、面白さが増すのだろうとは想像できる。しかし、無理せずに自分のペースを貫いて楽しむこともできる。

フォーマット

 通知に間に合わなくても「BeReal.」が楽しめるのは、撮れる写真の形式におもしろさがあるからだ。外カメラと内カメラで同時に撮影が行われ、それが1枚の画像に収まる。ちょうど、テレビのバラエティ番組で、メイン映像と同時にワイプが映っているようなものだ。しかも「BeReal.」では、メインとワイプの両方を自分が思うように表現できる。

 これを活用すれば、たとえば、景色と同行者を一つの画像に両方映すことができる。また、何かが起こったとき状況と自分の反応を同時に記録することもできる。気にいった写真が撮れれば、投稿してからダウンロードして、インスタグラムなどほかのSNSで共有する人もいる。

 また、BTS(Behind The Scenes、“舞台裏”)という機能もある。これは写真が撮影される前の数秒間を動画として保存する機能で、撮影画面でオン/オフを切り替えることができる。

ちょぼちょぼとした雪も動画なら捉えることができた。寒い

気がついたこと

 使ってみて気づいたのは、異なるタイムゾーンにいる人同士は通知のタイミングも異なるために「同じ瞬間に写真を共有する」機能が使えないということだ。もちろん、通知にとらわれず好きなタイミングで投稿するぶんには、問題なく楽しめる。

 もう一つ気がついたのは、広告がまったくないということ。自分と友人の日常だけが見えるのでとても快適だが、今後プラットフォームはどのように維持されていくのだろうか。これからの変化にも注目したい。