レビュー

「Pixel 3a」ミニレビュー(編集部細田)

手頃ながらカメラは一級品、“完全分離”時代にマッチした機種

 GoogleのAndroidスマートフォン「Pixel」シリーズに、従来機よりも価格を抑えた「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」の2機種が加わった。本記事では、5.6インチモデルの「Pixel 3a」をひと足早く試した印象をお伝えする。

Pixel 3a

 Pixel 3といえば、昨今のハイエンド機によく見られるデュアルカメラやトリプルカメラでこそないものの、AIや画像処理技術を駆使した「夜景モード」「ポートレートモード」で高い評価を得ている機種だ。

 そして、定価ベースでおよそ半額の「Pixel 3a」にも、そのカメラ性能はしっかりと受け継がれている。Pixel 3に搭載されている画像処理に特化したコプロセッサ「Pixel Visual Core」は省略されているが、カメラモジュールは共通でソフトウェアの処理も同等のものとなっている。

「Pixel 3a」で撮影した写真

 実際にPixel 3aを片手に撮り歩いてみると、コプロセッサの有無が影響しているのか、あるいは基本性能の違いからか、シャッターを切ってから写真を見られるようになるまでにPixel 3と比べると若干のタイムラグがある。しかし不満が出るほどではなく、何より、仕上がった写真はミドルレンジ機とは思えないクオリティーだ。

 通信料金と端末代金の“完全分離”の流れを受けて、高価なハイエンド機には手を出しにくくなることが予想される中、Pixel 3aは絶妙なバランスが取れた機種だと思う。

 たとえば、「動作の速さや充実した機能はそれほど求めていないけれど、カメラ重視でハイエンド機を選んできた」というようなユーザーが2~3年前のハイエンド機から買い換える場合、十分なスペックをキープしながらカメラだけは最新のハイエンド機並み、それでいて手頃な価格というPixel 3aは魅力的な選択肢ではないだろうか。