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ドコモとローソンが提携、ドコモ加藤社長とローソン玉塚社長が語った狙い

 NTTドコモは13日、2015年夏モデル発表会を開催した。同社代表取締役社長の加藤薫氏によるプレゼンテーションの半分は、新たな取り組みである「dポイント」、そしてローソンとの提携に割かれた。会場にはローソン代表取締役社長の玉塚元一氏が登場し、両社の取り組みが紹介された。

ドコモの加藤社長(左)とローソンの玉塚社長(右)

dポイントを通じてパートナーと提携、まずはローソンと

 発表会に先立つ、4月28日、ドコモは2014年度の業績を案内する決算会見において、他社とのパートナーシップを強化する「+d(プラスディー)」という方針を明らかにしている。その際には具体的なサービスが明らかにされなかかったが、今回、ドコモポイントが実店舗でも使える「dポイント」にリニューアルすると発表された(※詳細記事)

 dポイントのリニューアルに続き、ローソンとの提携も発表された(※詳細記事)。加藤社長は「ローソンは、おサイフケータイのリーダーライターを展開させる際も、いち早く導入していただいた。今まで以上に協力できるのは心強い」とアピール。

 またローソンの玉塚社長は、コンビニエンスストア事業においては、「強い商品、強い売場を作る」ということが目標と説明。ローソン全体としては、コンビニのほか、2014年に成城石井を傘下に収めて高級スーパーマーケット事業に進出したほか、イベントのチケット販売では売上が国内トップ、映画館事業(ユナイテッドシネマズ)もあり、エンターテイメント事業も手がけるなど、幅広く領域で展開する中で、巨大な顧客基盤を抱えるドコモとのパートナーシップを強化することは、互いに送客効果が期待できると説明する。

マーケティングデータの活用へ、スピーディな展開を期待

 また両社の顧客データを活用することも今後検討していくとのこと。具体的にどういったデータをやり取りすることになるかは未定とのことだが、いわゆる個人情報ではなく、属性情報を用いることが想定されているという。そういった一例として玉塚社長は、たとえばPOSレジから得られるデータとして、これまでは「火曜日に新製品が入荷し5つ売れた、木曜日に10個売れた場合。それがリピーターかどうかが、そういうデータが新たな商品開発に繋がる、と語る。質疑応答で、どういったデータを共有するのか問われた玉塚社長は「特にマーケティング情報を共有したい」と意欲を見せる。

 はたまた、ドコモのクレジットサービス「DCMX」への勧誘をローソン店頭で行ったり、両社の共同出店や、ローソン店内に“ミニドコモショップ”の設置するといったことも検討できないか、両社では頻繁にミーティングを実施していると紹介。まずはわかりやすいコラボレーションとして、ドコモのキャラクター「ドコモダケ」をモチーフに、キノコを使ったそばやパンなどを6月にも発売する。

 5400万人の基盤を抱えるドコモ、そして全国に店舗展開するローソンというタッグにより、数あるポイントサービスに対してもスピーディな発展がのぞめる、と加藤社長。

 dポイントの特典にかかる費用は、両社で負担するとのことだが、その割合は開示されていない。またローソンのような特典をどういった企業と今後、提供していくのか、という問いに加藤社長は「パートナーになる企業との話し合い次第」と述べるに留まった。

Windows端末への考えは?

 今回のラインアップのなかで、「AQUOS EVER」は、実質販売価格が安価に設定される見通し。これは、2年前に実施した「ツートップ戦略」で数百万のユーザーを獲得したことを踏まえた取り組みで、コスト面を重視した機種として用意されたのだという。

 今夏、新しいバージョンが登場するWindows関連に対する問いには「なかなか難しい」と加藤社長はコメント。動向を注視する必要は認めつつ、現段階で開示できるような具体的な取り組みはない、とした。

 またAndroidベースのフィーチャーフォンが今回用意されたことで、報道陣からいくつか関連する部分についての問いが挙がった。Androidをプラットフォームにするメリットはアプリの移植が一番大きいとされたほか、ベースバンドチップのような部品についてもAndroid向けが増えており、他のOSでは利用できない状況になってきたことも影響しているという。iモード端末については今後も提供されることが、プロダクト部長の丸山誠治氏から明らかにされた。

新CMキャラクターの堤、高畑も登場

 発表会場には、新CMキャラクターの堤真一、高畑充希も登場。同じく新CMに登場する綾野剛は映像中継での登場となった。既にCMの撮影を終えていた堤は、綾野との距離が「振り見たらキスしそうなくらい近くてドキドキした。坂を走る場面もあり、もう50歳ですからきついが、綾野くんに負けないようついていく」とコメント。

左からドコモ加藤社長、高畑充希、堤真一

 高畑は、以前、堤と同じテーブルで焼肉を食べた中だったにもかかわらず、堤が今回一緒にキャラクターとして起用されるまで、そのことを忘れていた、というエピソードを披露。堤は「年を取ると、若い方がわからなくなるんです」と言い訳するも、高畑が「童顔であることをいじられた」とうらみ節。これに堤は「それは覚えている。夜の会で、この子を呼んで良いのか。マネージャーさんとかついてきたほうが良いのじゃないかと思った」と釈明を重ね、高畑は「そのとき既に20歳を超えていたんですけどね」と笑って返す。その後、壇上に上がった加藤社長は自身含めて、堤、高畑の3人が関西人とアドリブで紹介。高畑も堤を「クールな人だと思っていたが、関西の人で、『あ、意外』と思った」と語っていた。

虹彩認証にチャレンジする堤
スピーディなロック解除を目の当たりにして、奇声をあげて驚きを隠さない

関口 聖