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京セラ、「miraie KYL23」「BASIO KYV32」の商品説明会

(左から)BASIO KYV32とmiraie KYL23

 京セラは、auから発売されたジュニア向けスマートフォン「miraie KYL23」(1月30日発売)と、シニア向けスマートフォン「BASIO KYV32」(2月13日)について、報道関係者向けの説明会を開催し、端末の特徴などをアピールした。

miraieで親子で一緒にルールを決めてスマホの使い方を学ぶ

通信機器事業本部 通信機器営業統括部 販売促進課 販売促進係 責任者の岩田浩嗣氏

 「miraie」は、小学校3年生~6年生をターゲットにしたスマートフォン。同社では、児童向けの携帯電話として「mamorino」シリーズを商品化してきたが、そこで培われたノウハウがmiraieの開発に生かされた。

 小学生高学年の4割弱~5割弱が携帯電話を所有し、そのうち2~3割がスマートフォンを所有する現状がありながらも、SNS上でのトラブルやいじめ、スマホ依存などのトラブルが各方面で報道されて話題になることで、保護者が子どもにスマートフォンを持たせない派とルールを決めて持たせる派に分かれているという状況にあるとされる。

 同社では、こうした社会的な課題を解決するために、保護者が子どものスマートフォン利用をしっかりと管理しながら、子ども自身が善悪を判断できるように、親子でルールを決めて一緒にスマートフォンの使い方を学んでいく機会としてmiraieを開発したという。

 危険なWebサイトへのアクセスのブロック、アプリ利用の制限、許可したアドレス以外への連絡のブロック、使用時間の制限など、「安心・安全」に関連する7つのポイントで各種機能を実装した。保護者専用の設定メニューを用意することで、それらのペアレンタル・コントロール機能を簡単に設定できる。

 ちなみに、保護者用のパスワードを忘れた場合、3回パスワード入力を間違えると、あらかじめ登録したメールアドレス宛に仮パスワードが送信され、新たなパスワードを設定できる機能や、緊急時には保護者の端末からSMSを送信してmiraieの利用制限を解除する機能も用意されている。

 また、強固な「Dragontrail X」ガラスをディスプレイパネルに採用し、さらに周囲のフレームをかさ上げすることでガラス面を保護するなど、堅牢性にもこだわった。アプリは、子ども向けにカスタマイズされたauスマートパスからダウンロードする形で、ダウンロードしたアプリを起動するには保護者の許可が必要になる。もちろんLINEにも対応しており、18歳未満のID検索もサポートされる。

簡単ケータイとURBANOのノウハウを生かしたBASIO

通信機器事業本部 通信機器営業統括部 販売促進課 販売促進係の中澤孝浩氏

 「BASIO」は、フィーチャーフォンを使う50代後半~60代の男女をターゲットにしたスマートフォン。同社では、シニア向けのフィーチャーフォン「簡単ケータイ」シリーズや、“大人のスマホ”をテーマに「URBANO」シリーズを商品化してきているが、BASIOではそこでのノウハウが生かされた。

 同社では、フィーチャーフォンユーザーがスマートフォンにしない理由を独自に調査。その結果、「料金・価格」「操作性」「使い道」の3点でネガティブな反応があったという。BASIOでは、そうしたスマホの不安を解消するような工夫が施された。

 大きめの文字やアイコンを表示することで見やすさを改善するとともに、画面の下にハードウェアキーを配置。電話の着信があった際などにはボタンが光ってその旨を通知し、押すだけで応答できるようにするなど、簡単ケータイシリーズのような使い勝手を実現した。

 miraie同様に高い耐衝撃性能を実現していることに加え、BASIOはau VoLTEにも対応。ディスプレイパネルがスピーカーとして機能する「スマートソニックレシーバー」により、耳を当てる位置を気にせずに通話できるように配慮した。通話中に相手の声が聞こえづらいと思った際には、その場で聞こえ具合を調整できる機能も搭載。

 シニア世代にもスマートフォンをもっと自由に使って欲しいという願いもあり、Google Playストアからのアプリのダウンロードに対応。簡単ケータイシリーズで評価が高かった歩数計の「東海道五十三次」もグラフィックを豊かにしてプリセットした。

40代以上はみんな京セラで決まり?

通信機器事業本部 通信機器営業統括部 販売促進課 責任者の長瀬実樹氏

 miraieとBASIOは、同時期に発売されながらも搭載されるチップセットをはじめ、ハードウェアの仕様が大きく異なっている。この点については、BASIOがURBANOをベースに、miraieがグローバルモデルをベースに開発されたといった背景があるという。

 また、これまでNTTドコモの「らくらくスマートフォン」のような製品が無かったauでは、店頭でURBANOをシニア向けスマホとして販売してきた経緯もあり、URBANOとの商品性の面でのバッティングが気になるところ。

 これについて、同社 通信機器事業本部 通信機器営業統括部 販売促進課 責任者の長瀬実樹氏は、「BASIO向けには専用の料金プランが用意されているなど、ハードウェア以外での商品性の違いもあり、URBANOが無くなるわけではない。京セラとしては、40~50代でURBANO、50代以上でBASIOを利用していただけると嬉しい」と語った。

湯野 康隆