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モバイル印刷の業界標準を目指す「Mopria」、印刷対応アプリの開発を呼びかけ
Android 4.4では誰でも利用可能
(2014/7/4 14:56)
主要プリンタメーカーが参加するモバイル印刷の業界団体、Mopria Allianceは、4日に記者向けの説明会を開催し、「Mopria」で実現するモバイル印刷の現状や具体的な利用方法、今後の展開を紹介した。
「Mopria」は、スマートフォンやタブレットからワイヤレスで印刷できる標準規格として策定されたもの。プリンター側は、Mopria認証を受けた機種がすでに世界で250機種以上が登場している。例えばスマートフォンのアプリから印刷する場合、周囲にMopria対応プリンターがあれば、メーカーやブランドに関係なく接続して印刷できるという仕組みになっている。団体が2013年に設立されたとあって、比較的新しい規格だが、参加するメーカーの数や規模から、ワイヤレスのモバイル印刷では実質的な業界標準になると考えられている。
Mopriaの取り組みにおいて、スマートフォンなどの端末側は、まずはAndroidに対応。Androidで提供されている印刷関連のAPIの関係から、Android 4.4(KitKat)以降に対応する。エンドユーザーは「Mopria Print Service」というアプリをGoogle Playからダウンロードしてインストールするだけでセットアップが完了する。あとは、アプリがAndroidの標準的な印刷機能を搭載していれば、印刷時にMopriaの規格を経由して、指定したプリンターにデータが転送される。「Mopria Print Service」については、端末メーカーに働きかけて、プリインストールでも提供していく方針だ。
Androidの環境において、MopriaはAndroidが提供している印刷関連のインターフェイスの後ろ側に位置している。このため、アプリ開発者は、Mopriaに合わせて特別な開発をする必要はなく、これまでと同様に、Androidの標準的な印刷機能を実装するだけで済むようになっている。
Mopria Allianceでは、印刷機能を搭載したアプリを紹介するページ「App Spotlight Wall」を新たに用意しており、開発者が印刷機能を搭載したアプリを登録できるようになっている。登録されたアプリは、エンドユーザー向けに紹介されるほか、アプリのジャンルなどを絞り込んで検索することもできる。
Mopria Allianceは、キヤノン、HP、サムスン電子、ゼロックスの4社により、2013年9月に設立された非営利団体。コニカミノルタ、アドビ、ブラザー工業、エプソン、京セラ、レックスマーク、リコーなど主要プリンタメーカーを含め、2014年6月末時点で21社が参加している。加えて、沖データ、富士ゼロックス、東芝テックが参加することも明らかにされた。
Android以外のOSやプラットフォームにも拡大を検討
4日に開催された説明会で、Mopriaを代表して登壇したキヤノンの柚賀信一氏とコニカミノルタの能西豊茂氏は、Mopria Allianceとしての活動が、Android 4.4を中心として技術的な取り組みを紹介できる段階になったと説明。
その上で柚賀氏は、先日Googleから発表された“Android L”などの次期Androidについても「我々はMopriaとして継続的にサポートしていく」と表明。さらに「ほかのOS、プラットフォームについても、Mopriaとして戦略的に、広げるために活動していきたい」と語り、Android関連の取り組みを紹介した今回は“フェーズ1”と位置付けた。
会場ではデモンストレーションも実施され、Android 4.4の端末から簡単に対応プリンターを検索して指定でき、アプリで印刷のメニューを選べばすぐに印刷できる様子を確認できた。