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香川県の豊島で「超小型モビリティ」実験、ソフトバンクなど

 香川県の土庄町、ソフトバンクモバイル、ベネッセホールディングス、電気自動車普及協議会は、瀬戸内海にある豊島において、コンパクトな次世代車両である超小型モビリティの実証実験を7月20日より開始する。

 超小型モビリティとは、1人~2人乗りのコンパクトな車両。通常の自動車よりも大幅に小さなボディサイズで、小回りの効く運用が可能とのことで、国内では新たな自動車の一種として整備する方向で進められている。今回の実験は、国土交通省の「超小型モビリティの導入促進事業」の案件として実施される。

 舞台となる豊島(てしま)は、香川県小豆郡土庄町に属し、瀬戸内海は小豆島のすぐ西に浮かぶ。かつて産業廃棄物の不法投棄事件で揺れた土地だが、近年はベネッセが豊島を含む瀬戸内の島でアート活動を実施していることなどもあり、「食とアートの島」として地域振興事業が実施されている。実験は、ベネッセなどが協賛するアートイベント「瀬戸内国際芸術祭2013」の夏の会期にあわせて実施され、現地を訪れる観光客の交通手段として、レンタルサービスが提供され、充電設備が整備される。

 実験は来年3月31日まで。来場者は事前に予約すれば誰でも利用でき、利用料は1日8400円。島内には、日産製の車両「NISSAN New Mobility Concept」6台、充電スタンドが2カ所整備される。

 この充電スタンドは、ソフトバンクグループが社内から新規事業を募るなかで生まれた充電・認証システム「ユビ電」を用いる。ユビ電は、電気自動車の充電をどこでもできるよう開発されたシステム。充電スタンドだけではなく、一般家庭も電気自動車のユーザーにコンセントを提供できるようにするもので、一般家庭のコンセントで給電しても、その電気代は電気自動車のユーザーにかかる形になるよう、車両側に認証情報を持たせ、給電時に認証し、課金する、という仕組みを取り入れている。今回の実験では、そうした仕組みのほか、ユビ電によって、充電中、どの車両がどこでどれだけ充電したか把握する技術が検証される。

関口 聖