ニュース
初期設定をスムーズにした「Eye-Fi Mobiカード」
(2013/6/12 16:59)
アイファイジャパンは、無線LAN(Wi-Fi)機能を搭載するSDカードの新製品で、スマートフォンなどモバイル機器と手軽に連携できるようにした「Eye-Fi Mobi(アイファイモビ)カード」を6月14日に発売する。価格は8GB版で4980円、16GB版で7980円。
アプリにアクティベーションコードを入力するだけ
「Eye-Fi Mobiカード」は、デジタルカメラでの利用が想定されたメモリカード。Wi-Fi機能を搭載しており、デジカメで撮影した写真をスマートフォンやタブレットへ転送できる。
利用時には、画像転送先となるスマートフォンやタブレットに専用アプリをインストールする。その上で、パッケージに添付されるアクティベーションコードを入力するだけ、という手順で利用を開始できる。
これまでの「Eye-Fi」のラインナップでも同様の機能が「ダイレクトモード」として提供されていたが、今回の「Eye-Fi Mobiカード」は利用開始までの手順を簡便にしたことが大きな特徴。また、設定時にこれまではサーバーへ接続してSSIDやパスワードをダウンロードする必要があったが、サーバーに接続することなく設定を完了できるようになった。このほかこれまでの製品では、周囲に接続できるネットワークを探し、接続できなければダイレクトモードになっていたが、今回の「Eye-Fi Mobiカード」は最初からダイレクトモードが動作する形となっている。
Eye-Fiのアカウント登録をせずに利用できるという点も特徴の1つ。ただし、アカウントがないとスマートフォン/タブレットとEye-Fiカードの連携だけ、という形になる。アカウントがあれば、Eye-Fiのクラウドストレージなどへ転送できる。
メモリカードとしては、SDカードのClass 10に対応しており、高速な書き込み・転送をサポート。なお、既存製品の1つである「Pro X2」のほうが高機能となり、ワイヤレスでのパソコンへの転送、RAW画像の転送などをサポートする。
「Eye-Fi Mobiカード」の発売にあわせ、既存製品である「Eye-Fi Connect X2」(4GB/8GB)と「Eye-Fi Pro X2」の8GB版の販売は終了する。ただし「Eye-Fi」 Pro X2」の16GB版は今後も提供される。またNTTドコモの店頭で昨年より販売されている「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」も引き続き提供される。
アーリーアダプターから次の層へ
12日、都内で記者説明会が開催され、今年5月に米国本社CEOに就任したマット・ディマリア(Matt DiMaria)氏が説明を行った。
ディマリア氏は、「ここ数年、写真を楽しむアプリはほとんどモバイルになってきた。FacebookやInstagramなどでもすぐシェアする際には、モバイルを利用する。一方、スマートフォンの進化でデジカメが不要になるとも言われているが、我々の調査では、もしデジカメから画像を転送できるのならば、ユーザーの約半数はデジカメをもっと利用する、と回答している」と述べて、モバイルとデジカメの連携を進化させることが重要と指摘した。
そのために必要なポイントとして「Simple」「Easy」「Fun」(シンプルで、簡単、ワクワクする)という3つの言葉を示した同氏は、転送までの手順を省略する「Eye-Fi Mobiカード」は、写真を撮影してアプリを起動、そしてシェアするだけと圧倒的に手軽だとアピールする。
昨年4月、NTTドコモとアイファイジャパンでは「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」という製品を発売し、より簡便にAndroidスマートフォンと連携できる形になっていた。これについてディマリア氏は「(過去1年の取り組みを通じて)ドコモからは貴重なデータをいただいた。その結果として、我々が学んだのは、(モバイルとの連携機能を)使い始めるまでの時間を短縮するということ」とコメントし、今回の「Eye-Fi Mobiカード」は、そうした点から開発された製品と位置付けた。
Wi-Fi機能搭載のSDカード全体で見れば、75%ものシェアを獲得しているというEye-Fiだが、これまでの出荷数は数十万枚で、Mobiカードではその倍以上の出荷を見込む。ディマリア氏は、囲み取材で「これまでのユーザーに対して調査すると、70%が『(自分自身が)アーリーアダプター』とコメントしていた。今回のMobiカードは、さらに多くのユーザーに向けた製品」とした。