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ドコモ、700MHz帯対応の基地局用アンテナを開発

ドコモ、700MHz帯対応の基地局用アンテナを開発

 NTTドコモは、新たな周波数帯である700MHz帯に対応した基地局用アンテナを開発した。2013年3月より順次導入される予定で、700MHz帯対応の通信サービスは2015年1月より提供される予定。

 これまでドコモの基地局用アンテナは、800MHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯と4つの周波数帯に対応していた。このように複数の周波数に対応すると、アンテナ上では電波干渉が発生するが、電波を発する部品(アンテナ素子)などで技術的な工夫を行い、そうした干渉を抑える。これまでのアンテナでも干渉を抑える工夫が施されていたが、新たに700MHz帯の電波を扱うと、これまでとは違った干渉が発生することになった。今回、ドコモでは独自のアンテナ形状を開発して700/800MHz帯と1.5/1.7/2GHz帯の間の干渉を抑えることに成功した。またアンテナの大きさも従来同様のサイズに仕上げられ、既存基地局に導入しやすくなっている。

新たな工夫で700MHz帯に対応した

 700MHz帯は、これまで携帯電話サービスには利用されていなかったが、「2015年から利用できる帯域」として、ドコモやKDDI、イー・モバイルに対して、2012年6月、10MHz幅×2という帯域が割り当てられた。ドコモでは今回の新型アンテナを今年3月から展開し、2014年度後半から試験電波の送信を開始、2015年1月からLTE方式によるサービスを提供する計画。700MHz帯の用途として、爆発的に増加する通信量への対応を挙げているドコモでは、新型アンテナの具体的な導入エリアはまだ未定としつつ、主要ターミナル駅など都市部、人口密集地での展開を検討しているとのこと。

エリアを3つに区切る“3セクタ”用(左)と、6つに区切る“6セクタ”用のアンテナ。3セクタ用の大きさは長さ約2.7m、直径200mm。6セクタ用は長さ約1.8m、直径290mm。

関口 聖