ドコモの“メアド置き換え”不具合、影響数や新事象が明らかに


 NTTドコモは、12月20日に発生したspモード関連の不具合に関し、あらためて事象の原因を示すとともに、影響を受けたユーザー数や、新たに確認された事象を明らかにした。

 今回の不具合は、関西で発生した伝送路障害をきっかけに、spモード用システムのユーザー管理サーバーが、過負荷により処理が滞る輻輳(ふくそう)状態に陥り、一部ユーザー(Aさん)のメールアドレスが他人のメールアドレス(Cさん)に置き換わる事象が起きた。Aさんの送付先であるBさんには、Cさんのメールアドレスでメールが送られたように見えた。

 ここまでは、不具合発生翌日の21日に行われた報道関係者向け説明会で触れられた事象だが、1週間の調査を経て、新たな事象も確認された。これは、メールアドレスが他人(Aさん)へ置き換えられたユーザー(Cさん)が圏外、あるいは電源オフでメールを受信できないタイミングで、Cさん宛にDさんがメールを送ると、その一部がAさんに届いてしまったというもの。当初からこの事象の可能性はあり、調査した結果判明した。ただ、21日の説明会でドコモでは、確認された事象のみ案内する方針として、未確認の事象は紹介されていなかった。

 対象となった人数は、当初、最大10万人とされていたが、調査により約1万8000人に影響があったことがわかった。ただし、この対象人数には重複があるとのこと。その内訳は、Aさんが6878人、Bさんが2909人、Cさんが6894人、Dさんが2017人となる。メールアドレスの置き換えが発生したAさんとBさんは、いわばメールアドレスを交換した格好となり、人数が一致するはずだが、Cさんのほうが16人多い。これはAさんのメールアドレス置き換えが、2回以上、行われた可能性があるという。

 なお、メールアドレスが置き換わっていたAさんのうちメールの送受信を行っていない人は4097人、Aさんとメールアドレスを交換した格好になったCさんのうちメール受信を行っていない人は4110人となる。従って影響を受けた約1万8000人のうち、実際にメールの送受信を行ったのは1万491人とのこと。

 ユーザーがやり取りしたメールで、個人情報の流出などがあった可能性もあるが、ドコモではメール本文や題名のデータを保持しておらず、調査できない。

 ドコモでは、28日に新聞紙上でお詫び広告を掲載するともともに、対象ユーザーへお詫びのしるしとしてQUOカード500円分を含むダイレクトメールを1月4日に発送する。また電話窓口を設けて対応する。一時停止した21のサービスのうち、「ドコモ ドライブネット」「イマドコサーチ」については、利用規約に則り、停止期間に応じて日割での金額を返還する。ただし返金の時期や方法は、決まり次第案内される。

 コンテンツの誤課金、コンテンツプロバイダへの対応について、今回の発表では触れられておらず、あらためて案内される見込み。




(関口 聖)

2011/12/27 14:32