富士通、電子書籍ストア「BooksV」でAndroid向けサービス開始


 富士通は、電子書籍サービスの「BooksV」において、Android端末向けのサービスを開始した。対応機種向けにはAndroidマーケットで無料のアプリが配信されている。利用には@niftyもしくはAzbyClubへのユーザー登録が必要。

「BooksV」Android版

 

 「BooksV」(ブックスブイ)は、これまでパソコン向けに提供されてきた電子書籍サービス。大日本印刷と関連会社のモバイルブック・ジェーピー、ジー・サーチ、富士通エフ・オー・エムからコンテンツ提供を受け、文芸、生活、HowTo、雑誌記事といったジャンルを取り扱ってきた。

 今回開始されるAndroid向けサービスでは、新たにコミック、雑誌のジャンルを追加。小学館、幻冬舎、PHP研究所をはじめとした既存コンテンツのAndroid対応に加えて、講談社の「のだめカンタービレ」をはじめ、コミック約7000点、文芸書約3000点、合計1万点を追加する。また、対応フォーマットも、XMDF、PDFに加えて、新たにドットブック(.book)、BSフォーマット、DNPイメージビューア(今後対応予定)が追加される。

 購入から管理、閲覧まで対応するAndroidアプリには、読みたい本を登録できる「お気に入りリスト」機能や、本棚機能などが用意されている。アプリはAndroid 2.1以上に対応し、対応機種はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの端末が順次追加される。また、Android端末は同サービスに2台まで登録できる。

 サービス開始当初の対応機種は、ARROWS Tab LTE F-01D、F-12C、Optimus chat L-04C、Optimus Pad L-06C、Optimus bright L-07C、MEDIAS N-04C、MEDIAS WP N-06C、P-07C、GALAXY Tab SC-01C、GALAXY S SC-02B、GALAXY S II SC-02C、LYNX 3D SH-03C、AQUOS PHONE SH-12C、AQUOS PHONE f SH-13C、Xperia SO-01B、Xperia arc SO-01C、Xperia acro SO-02C、REGZA Phone T-01C、REGZA Phone IS04。

 

電子書籍サービスを手掛けることが端末開発にも影響

 20日に記者向けに開催された説明会では、富士通 ユビキタスビジネス戦略室の日野氏が説明を行った。日野氏はまず、電子書籍市場が2013年には1000億円を超える規模になるとする予測を示し、「今後急拡大するタブレット端末によって、市場が大きくなるのではないか」との見方を示す。また、「文字コンテンツは文化であり、コミュニケーションの根幹になるビジネスとして、電子書籍がある。さまざまな情報システムへの影響は大きく、電子書籍は弊社の方向性とマッチしていると考えている」と述べて、富士通が電子書籍サービスを手掛ける理由を説明した。

 さらに日野氏は、「画面で見えるのは20冊程度かもしれないが、後ろ側には数万冊がある。コンピューティング技術、運用技術など総合ICTベンダーとしての強みを使える」と、システム運用でも強みがあるとし、SIの顧客に対しても既存サービスとの連携といったノウハウが提供できることで、「SIのビジネスを加速できるのではないか」とメリットを語った。

 端末についても、「スマートフォンはほぼ同じ形になっており、ノートパソコンもそう。端末の形はほとんど変わっていない。しかし、新しい使い方ができると、新しい形を呼ぶ。新しい形を作り出す上でも、内部で連動できることは重要。紙のコミュニケーションは、市場としては非常に大きいもの。こういう市場にサービスと端末を供給し、強みの連鎖を作り出すことが目的」として、電子書籍サービスを手掛けることが端末開発にも影響を及ぼすとした。

日野氏富士通の強みの連鎖を作り出すとした
Android版の概要パソコン版とAndroid版の内容

 




(太田 亮三)

2011/9/20 14:33