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JCOMが中長期的な研究開発を担う「R&Dセンター」を設立

 JCOMは26日、研究、技術開発を行う「R&Dセンター」を設立すると発表した。第1弾として、次世代規格「Wi-Fi 8」に関する実証実験を6月から実施する。

ビジネスに直結しにくい技術開発もできる体制

 JCOM R&Dセンターのセンター長に就任した吉兼昇氏は、1999年にKDD(現在のKDDI)に入社し、2002年~2026年の期間、KDDI総合研究所で光通信技術や技術標準化などの研究開発に携わっていた。設立の背景について吉兼氏は「外部環境とユーザーニーズの変化」と説明。通信品質に注目が集まる中、安定性や低遅延性が求められており、ユーザーの体験価値向上や、サービスを支える通信インフラを高度に操れるような技術の研究開発を進めるという。

R&Dセンター長の吉兼昇氏

 これまでも同社内で研究開発は進められてきたが、「ビジネスに直結する形の研究開発が中心だった」と吉兼氏は指摘する。新設するR&Dセンターでは、ビジネスに寄り過ぎない研究開発を進めることを目指し、事業化を見据えた課題解決を目指す「技術開発グループ」のほか、中長期的な取り組みを進める「研究開発グループ」、将来の成長戦略における新事業領域を検討する「調査研究グループ」を組織する。

2026年度はネットワークの高度化やロボティクス関連など

 R&Dセンターが取り組む2026年度の案件として、吉兼氏は4つの分野を取り上げ、ユーザー体験価値の向上と運用の高度化を目指すという。

 まず、ネットワーク運用を高度化するため「Dark NOC」の技術開発を進める。これは、直訳すると「暗いネットワークオペレーションセンター」を意味する。現在のオペレーションセンターは24時間365日休むことなく運用を監視しているが、AIの進化などで運用を高度化すれば「夜間は人が見なくても良くなる」、つまり「夜間はオペレーションセンターの照明を落とせる(暗くなる)」ため、「Dark NOC」と呼ぶのだという。

 また、局舎運用の高度化を目指すロボティクスの技術開発、宅内同軸配線の無線化を目指す「Wi-Fi 8」、ヘルスケアなどへの応用を目指したセンシング技術としての「ミリ波」の研究開発を進める。

 R&Dセンターでは、現在18人のスタッフで技術開発に取り組む。吉兼氏の古巣であるKDDI総合研究所との連携については「契約ベースで共同研究する計画はないが、意見交換や、ネットワーク運用やロボティクス関連など近しい技術の実証を見せてもらうといった形で連携できる」(吉兼氏)と説明する。2035年には、「暮らしと地域の未来をつくる技術開発の創出」を目指すとし、同社のサービスにとらわれない中長期的な技術開発への取り組みを進める。