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J:COMユーザー優遇のフリーローン「J:COM プレミアムローン」、J:COMならではの顧客接点で金融事業拡大を目指す

 JCOMフィナンシャルは、JCOMサービス加入者向けの金融サービス「J:COM プレミアムローン」を11月25日に提供を開始する。

 6日に開かれた説明会では、JCOMグループでの商品ラインアップの1つとして、スマートフォンアプリ1つで契約、借り入れができる点や既存商品との親和性などが語られた。

「J:COM プレミアムローン」

 「J:COM プレミアムローン」は、スマートフォンアプリで完結できるカードレスのフリーローン。設定された限度額内で自由に借り入れできる。

 契約できるのは、一部を除くJ:COMサービスをすでに契約しているユーザーが対象。加入者向けのスマートフォンアプリ「MY J:COM」またはWebサイトで申し込みから借り入れ、返済まで完結できる。申し込み完了から最短10分で借り入れができるとうたう。

 金利は4.3~17.0%だが、J:COMのサービスを契約中は3%優遇され1.3%~14.0%となる。ほかのJ:COMサービスを解約した場合、3%の金利優遇はなくなる。なお、初回利用時は30日間無利息で利用できる。

J:COMならではの顧客接点でアプローチ

 JCOMの中期経営計画では、新たな事業領域への拡張を含めた経営基盤の強化が方針に挙がっている。市場でもデジタル金融インフラが充実してきている。JCOMフィナンシャル代表取締役社長の神野雅夫氏は、「ユーザーに身近なJCOMによる安心安全な金融サービスを提供できる」と語る。

JCOMフィナンシャル代表取締役社長の神野雅夫氏

 JCOMでは、ケーブルテレビをはじめ、BSなどさまざまなオウンドメディアを持っているほか、営業と技術スタッフ総勢6400人とカスタマーセンターによる「顔が見える顧客接点」を持っており、日々の生活の中でユーザーから信頼を得られる事業者になっていると指摘する。

 グループでは、金融関係の取り組みとして2020年から少額短期保険サービスを提供している。スマートフォンの保険など、ほかの商品との親和性がある保険商品が提供されており、今後金融サービスでもユーザーにとって生活の基盤となるサービスを展開していくとしている。

ほかの金融サービスへの展開

 今回のカードローン以外の金融商品は今後考えられるのだろうか? 同社では、今後太陽光パネルや蓄電池などJ:COMの商品に対する目的別ローンや、新たな金融領域への展開による事業領域の拡大を目指している。

 JCOMビジネスデザイン本部長の関屋慎一氏は、銀行や証券への展開の可能性を問われ「現時点で言えることはないが、金融領域はそういったものを含んだものと認識している」とコメントし、含みを持たせた。

JCOMビジネスデザイン本部長の関屋慎一氏

 また、住宅ローンなどほかのローンにならなかった理由を聞くと、「原資の調達に対する難易度が高くなっている」と関屋氏は指摘。まずは、比較的ライトに展開できるフリーローンからはじめ、住宅ローンなどは現状KDDIグループの「auじぶん銀行」を紹介しているという。

2030年を目処に10万人の利用が目標

 J:COMユーザー向けにローンに関するアンケート調査を実施したところ、18%が現在ローンを利用しており、37%が過去にローンを組んだことがあるという。神野氏は、J:COM経済圏のユーザーにもローンサービスのニーズは高いと分析する。

 現在J:COMサービスを契約するユーザーは580万世帯いる。神野氏は、このうち50万のユーザーにはニーズがあると想定しているというが、まずは2030年を目処に10万人の累計利用者数を目標にするとしている。

JCOMフィナンシャル神野氏