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「e-ZUKAスマートアプリコンテスト2025」、受賞アプリ決定

「e-ZUKAスマートアプリコンテスト2025」最終審査会の参加者

 福岡県飯塚市は10月11日、同市内の九州工業大学で「e-ZUKAスマートアプリコンテスト2025」の最終審査会を開催し、受賞アプリを発表した。

 同コンテストは、2012年から毎年開催されているアプリコンテスト。今回で14回目の開催となり、スマートフォン向けのアプリに限定せず、メタバースやデジタル家電、スマートウォッチ、スマートグラス、ロボットなど、さまざまなスマートデバイスを関連するソフトウェアの開発も対象となっている。

 2025年のテーマ(一般の部)は「Innovative Hack for Local in 飯塚」と設定されており、飯塚市をはじめとした地方都市で顕在化している地域課題について、応募者の多様な視点から分析し、解決につながるようなアプリを募集していた。

飯塚市長の武井政一氏
審査委員長の名桜大学人間健康学部 教授の木暮祐一氏

 同コンテストでは、一般の部に加え、前回から市内の学校に通う生徒を対象にした小学生の部・中学生の部も用意されており、こちらでは『「あったらいいな」こんなんもの~』をテーマに、スクラッチ、ビスケット、マイクロビット、スプリンギンといった環境でプログラミングした成果が発表された。

小学生の部の優勝作品「何でも翻訳機」(飯塚市立鯰田小学校の深川翔真さん)

 中学生の部は、高校生以上の一般の部同様に最終審査会でのプレゼンテーションが行なわれ、3チームがプレゼンテーションを行なった。

 中学生の部の優勝は飯塚第一中学校のチーム「鎌足四重奏(かまたりカルテット)」が開発したアプリ「反射神経鍛えマシン」。自転車とぶつかりそうになった体験から反射神経の大切さに気づき、反射神経を鍛えるゲームを開発したという。

中学生の部の優勝は「反射神経鍛えマシン」(飯塚第一中学校の鎌足四重奏)
反射神経を磨いた成果を体操で表現

 一般の部には40件超のエントリーがあり、このうち一次審査を通過した10チームがプレゼンテーションを行なう予定だったが、直前に2チームの新型コロナ感染が発覚し、この日は8チームがプレゼンテーションを行なった。

 審査の結果、見事グランプリに輝いたのは、九州工業大学のチーム「多くの人を救い隊」が開発した「I'm Here!」。消防団員の減少がある一方で高齢化により要救助者が増加し、災害救助の供給と需要にバランスの変化が起きているという社会課題に対し、地域住民が助けあう共助の効果を最大化するプラットフォームを構築しようというもので、公共性の高さやシンプルな使い勝手が高く評価された。

九州工業大学のチーム「多くの人を救い隊」

 このほか、実際の養鶏場へのヒアリングで明らかになった課題に対し、情報共有を進めることで効率的な事業運営を実現する「こっこふぁくとりー」、緊張を検知して振動することで本来のパフォーマンスを発揮できるようにするウェアラブルデバイス「AuraNest」といった作品が複数の企業賞を受賞するなど、スマートフォンの枠を飛び越え、さまざまな社会課題の解決に向けたアイデアが披露されていた。

こっこふぁくとりー
AuraNest
受賞チーム名アプリ名所属
グランプリ多くの人を救い隊I'm Here!九州工業大学
飯塚市長賞多くの人を救い隊I'm Here!九州工業大学
SDGsデジタル社会推進機構チームエファインエファイン九州工業大学
コーザル・ファウンドリおむこっこふぁくとりー九州工業大学、佐賀大学
セキュアサイクル町野竜矢NUSHIKASHI九州大学大学院
タカハ機工おむこっこふぁくとりー九州工業大学、佐賀大学
トヨタ自動車九州本田祐大、佐原脩飛AuraNest九州大学大学院
TRIARTTidyTidy和歌山大学
なうデータ研究所籔下悟琉e-ZUKA CONNECT九州工業大学
NOTEおむこっこふぁくとりー九州工業大学、佐賀大学
ビジネス・アクション・クラブNextへGoNO LOOK麻生情報ビジネス専門学校
マネーフォワード籔下悟琉e-ZUKA CONNECT九州工業大学
リンクトブレインおむこっこふぁくとりー九州工業大学、佐賀大学
リョーザン本田祐大、佐原脩飛AuraNest九州大学大学院
福岡県未来ITイニシアティブ本田祐大、佐原脩飛AuraNest九州大学大学院
トーマスラボ籔下悟琉e-ZUKA CONNECT九州工業大学