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シャープ、CEATECアワード受賞のLEO衛星ターミナルを実演
【CEATEC 2025】
2025年10月14日 18:27
10月17日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている総合技術見本市「CEATEC 2025」にシャープ(3H223)が出展している。CEATECアワードで総務大臣賞を受賞した「電子制御式フェーズドアレイアンテナ搭載小型・軽量LEO(低軌道)衛星向けユーザー端末試作機」のほか、スマートホームやAI関連技術、工場などでのピックアップロボットシステムなど、多彩なソリューションが展示されている。
LEO衛星向けユーザーターミナル
高度約2000kmの上空を飛行する「LEO衛星」は、従来の静止衛星と比較して距離が近いため、高速大容量低遅延での通信ができる一方、地球から見て停止していない“非静止衛星”であることが多く、移動しつづける衛星を捕捉できるアンテナが必要になる。
同社が今回アワードを受賞した試作機では、ビーム制御により衛星を追跡するため、地上で動く重機のほか、不安定な船の上などでも利用できる。
会場では、実際に5G NTN通信としてブースセットの上にある模擬衛星から11GHz帯の電波を使って地上側のターミナルへデータを送信するデモンストレーションが確認できる。デモでは、この電波でリアルタイムの映像を送受信しており、近くにある重機の模型を遠隔で操縦する体験ができる。
工場内のロボットシステム
狭い通路など、従来の倉庫でも利用できる「スリムスタッカー・ロボットストレージシステム」が大きく展示されている。本体幅を700mmに抑えることで、倉庫内の狭い通路でも対応でき、さまざまな形状の荷物を棚からピックアップし、作業者まで自動で運搬する。
ロボットには、運搬できる収納棚がセットになっており、ロボットは輸送指示を受けると、輸送するものが置かれている棚まで自動で移動し、箱を吸引して収納棚に積み替える。その後、収納棚を作業者まで運搬し、収納棚ごと置くことで、運搬が完了する。逆も同様に、作業者は運搬したいものを収納棚に置いて指示を出すと、ロボットは収納棚ごとピックアップして、移動先の棚まで移動、その後ロボットのアームで棚に積み替える。
担当者は、「これまで利用している棚をそのまま活用できることが最大のポイント」と語る。工場や倉庫内での自動運搬ロボットは多種多様さまざまなメーカーから登場しているが、多くは倉庫のレイアウトを変更したり、ロボットが利用できる棚に入れ替えたりする必要があるという。今回のロボットでは、既存の棚をそのまま利用できるよう、最下段の高さがおおむね10cm以上あれば利用できる。ロボットの通路や棚には二次元コードを設置すれば、ロボットが自立して走行できるため、既存の倉庫を活用したまま作業者の負担軽減や人員削減を図れる。
このほか、AIを活用したスマートホームや企業向けのソリューションなどが展示されている。























