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アジアで成長加速するモトローラ、新スマホ「razr 60」で若年層にアピール
2025年9月30日 19:51
モトローラ・モビリティ・ジャパンは30日、新型折りたたみスマートフォン「motorola razr 60」シリーズと「motorola razr 60 ultra」を発表した。10月から順次発売される。
生成AI機能を強化、ヒンジも改良
新たに発売されるmotorola razr 60シリーズは、同社の新型折りたたみスマートフォン。ヒンジ部分にチタン製のパーツを取り入れ、画面の折り目を目立ちにくくした。またIP48の防水防塵性能も備える。
カメラ機能としては、従来機種からもお馴染みの家庭用ビデオカメラのように持って撮影できる「カムコーダーモード」が縦撮影にも対応した。SNSへ投稿する需要に応えるもので、カムコーダーモードから通常の撮影モードに切り替えるボタンも用意された。
独自のAI機能「motoAI」をさらに強化しており、メッセージなどを要約する「とりまリスト」、音声の記録や書き起こし、要約などができる「おまとメモ」、見聞きしたものを保存してあとで呼び出せる「お気にいリマインダー」などを搭載している。
堅調なモトローラ、edgeシリーズが成長けん引
モトローラは堅調に実績を伸ばしている。モトローラ・モビリティ・ジャパン 代表取締役社長の北原秀文氏によると、グローバルでは8四半期連続で成長を達成。2025年度第1四半期の収益は前年同期比14%増、出荷台数も同じく6%増となった。
高価格帯に属するrazrとedgeシリーズが同社の成長の原動力になっている。収益ベースで前年同期比40%増、出荷台数も同じく51%伸びた。北原社長は「中でもアジア太平洋地域が成長をけん引している。特に日本は前年比371%(収益ベース)の成長を果たした」と話す。
この成長には、モトローラと同じくレノボ傘下にあるFCNTの実績も含む。北原社長は成長の要因について「FCNTの数字は大きいがモトローラも大きい。FCNTは再参入後からの伸びが大きく、モトローラも各通信事業者との関係性が進んだ結果、数字が伸びた」と説明した。
FCNTとはAI機能でも連携しており、日本語対応やローカライゼーションは両社の開発部門が協力している。北原社長はコスト面でもメリットがあると、売上面以外でも両社が相乗効果を発揮しているとして、優位性を強調した。
今回発表されたrazr 60シリーズはグローバルでの発表から半年ほど遅れて日本導入が明かされた。AIやFeliCa対応など、作りこみに時間がかかる部分があるというものの、今後は日本でもグローバルと同時発表を目指す。
スマートフォン以外の周辺機器の重要性も高まる。モトローラは、グローバルではワイヤレスイヤホンなどを展開しているが、日本では導入されていない。日本市場への導入時期は未定とされたが、北原氏は「イヤホンが次の(AIとの)インターフェイスになるのではないか」と予見を示しており、今後の展開が期待される。
売上「razr 50以上に」、目黒蓮が発表会に登場
人気タレント目黒蓮を起用するなど、若年層へのアピールを積極的に続けてきたモトローラ。モトローラ・モビリティ・ジャパン マーケティング部長の清水幹氏によると、これまでのPR施策の結果、若年層のみならず、モトローラのブランドになじみ深い30代~の関心も惹く結果につながった。さらに女性へのアピールにも成功したと話す。長くiPhoneを使い続けてきたユーザーからの注目が高い。
清水氏は「認知拡大は購買に直結はしない。しかし、興味を持ってもらうことでキャリアショップや量販店への送客率が上がっている」とその効果を説明。motorola razr 60シリーズでは、Z世代含む若年層とガジェットに関心のある30代~を中心にPRを展開する。売上目標について、北原氏は明確な言及は避けつつも「razr 50以上に盛り上げていきたい」と意気込みを示した。
発表会には、ブランドアンバサダー目黒蓮が登場。自身がモトローラのスマートフォンで撮影したイタリアや京都での写真を披露したほか、motorola razr 60シリーズからの新機能「おまとメモ」を体験した。
motorola razr 60シリーズは10月から順次発売される。モトローラ公式ECでの価格は13万5800円。12月には最上位機種「motorola razr 60 ultra」がauから発売される予定となっている。




































