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“推し”と一緒にドライブ、エンタメ機能でユーザーを広げる「Yahoo!カーナビ」

 LINEヤフーの「Yahoo!カーナビ」が、エンタメ機能を強化してユーザー獲得を伸ばしている。背景には、推し活市場の盛り上がりと“推し”と一緒にドライブを楽しめる独自の工夫がある。

“推し”とドライブできる「推しドラ」

 Yahoo!カーナビは、LINEヤフーが提供するAndroid/iOS用のカーナビアプリ。2014年にリリースされたアプリで「Google Play ベスト オブ 2023」では「生活お役立ち部門」で大賞を受賞した。地図や案内に関する基本的な機能を充実させるとともに、検問やオービス情報の受信、広告非表示などができる有料の「Yahoo!カーナビプラス」(250円/月または100円/日)といった独自機能も取り揃える。

 「推しドラ」は、Yahoo!カーナビで利用できる独自機能のひとつ。月額550円または年額5500円で利用できる。案内音声を好きなキャラクターに設定でき、地図画面上の自車アイコンも設定したキャラクターに準じたデザインに変わる。カーナビとして一般的な右左折などの案内のほか時折、それぞれのキャラクターの個性にあふれたセリフを口にする機能もあり「推しと一緒にドライブ」している感覚を楽しめる。

AZKiとケロロ軍曹の自車アイコン

 一方で、Yahoo!カーナビのメインユーザー層は40代以上。LINEヤフーではより幅広い世代に使ってもらいたいと考えていた。カーシェアなど、自動車の利用形態が多様化するなか、若年層に推しとドライブできるカーナビアプリとして訴えかける。博報堂のデータによれば「3人に1人が推し活」をしており、消費者庁の調べでは、20代~30代はファン活動で消費する人の割合が多い。LINEヤフーでは、車内空間を「推しとまだ過ごせていない余白」として、推しドラをアピールする。

ユーザー層拡大に寄与する推しドラ

 2024年10月に始まった推しドラ。2025年6月時点で機能を利用している人のおよそ5割が20~30代だという。LINEヤフーでは、想定通り、20~30代のユーザーを獲得できていると見ている。ユーザーからは「運転が楽しくなった」「穏やかな気持ちで運転できる」など、安全運転に寄与する感想が得られているという。

 推しドラで現在提供されているコンテンツは6つ。「僕のヒーローアカデミア」(緑谷出久・爆豪勝己)、「AZKi」「アイドルマスターシンデレラガールズ」(島村卯月・渋谷凛・本田未央)、「竹達彩奈」、「低音火傷」、「ケロロ軍曹」(ケロロ軍曹・日向冬樹)。

 今後、AZKiのボイス追加や同じくバーチャルYouTuberの兎田ぺこらのボイス実装などが予定されている。現在は声優やバーチャルYouTuberが多いが、今後はアーティストやお笑い芸人などとのコラボレーションも視野に入れる。

ホロライブ AZKi/© COVER

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