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公道走行可能な折りたたみ型電動バイク「UPQ BIKE me01」、税別12万7000円で夏発売

 UPQ(アップキュー)は、折りたたみ機構を備えた電動バイク「UPQ BIKE me01」を発売する。価格は12万7000円(税抜、以下同)。発売は2016年の夏としており、7月をめどに販売が開始される見込み。

「UPQ BIKE me01」

 「UPQ BIKE me01」は道路交通法上では原動機付自転車(原付)に区分され、原動機付自転車の免許を持つユーザーが、ナンバープレートを取得し公道を走行できる電動バイク。航続距離は満充電の状態で約35km。バッテリー残量が一定以下になると速度が出にくくなり、ユーザーに充電のタイミングを早めに知らせるようになっている。

 速度は最高で時速約30km程度。変速機構はないが、坂道発進などに対応するため、スタート時のパワーを4段階から選択できる。定員は1名で、体重の耐荷重は100kgまでを想定して開発されている。仕様上は最大125kg程度としている。

 ウィンカー、クラクション、ヘッドライト、テールランプ、ナンバー灯、バックミラーなどは、道路交通法が定める規則に従って装備されている。ディスクブレーキはワイヤー式。タイヤは前後とも12インチ(直径315mm)。

 タイヤ、ブレーキなどの消耗品は販売代理店を通じてサポート拠点(販売店など)に部品が供給される形で、ユーザーへの直接販売は行われない。

 特徴的な機能として、メーターディスプレイ下部にUSB端子をひとつ備えている。出力は5V 1Aで、USBで充電できるアクションカメラを接続したり、スマートフォンを充電したりできる。

 キーレスエントリーを実現しており、キーを所持した状態で3m以内に近づくと電源などのロックが解除され、離れると自動的にロックされる。

 折りたたみ機構を備え、赤い支点の部分のロックを外すと、シート側、フロントタイヤ側をまとめて収納状態にできる。重さは18kgで、そのまま持ち上げて移動させたり、自動車ではセダンのトランクにも収納したりできるとしている。

 充電にかかる時間は約3.5時間。標準的な電気の契約では、約9円で満充電にできるとし、9円で35kmの走行が可能と謳う。

 本体の発売と同時に、交換用の純正バッテリー(3万4500円)、追加用のACアダプター(1万6800円)も発売される。カゴなどの収納スペースは用意されていないが、カゴなどがオプション品として検討されている。

 大きさは全長が1220mm、幅が約610mm、高さが985mmで、ミラーを含めた高さは1220mm。シート高は760mm、ホイールベースは870mm、最低地上高は140mm。取り外し可能なリチウムイオンバッテリーは定格出力が0.24kW、電圧・容量は36V/316.8Wh。

 ボディカラーは1種類で、UPQが今期のテーマカラーとする「ネイビー×レッド」。

旅先やキャンプでも

 「UPQ BIKE me01」は、2016年2月に開催された発表会にて「UPQ BIKE」として開発が表明されていた製品。4月21日に開催された発表会で登壇したUPQ代表取締役CEOの中澤優子氏は、「エントリーモデルで、まずはシンプルなものからスタートして、知見を伸ばしていきたい」と、今後の上位モデルの投入にも意欲を見せたほか、「旅先やキャンプ地での移動手段としても、面白く使ってもらえる」と、持ち運べることで広がる用途をアピールする。

UPQ代表取締役CEOの中澤優子氏

 ケース無しで10mの防水にも対応した新型のアクションカメラも発表し、「UPQ BIKE me01」のUSB給電機能などと組み合わせる利用シーンも提案した。

 なぜバイクを? という質問に中澤氏は、「家電メーカーなのでここまでしかやっちゃダメ、という考えは可能性を狭めることになる。“電気の通ったモノづくり”で、スマートフォンやカメラとも、同じように考えている」と、電動の製品の一環として取り組んだ様子を語り、「(創業直後の)第1シーズンでは開発費の工面にも苦労したが、それなりに利益が出て、投資できるようになった」と資金面でも当初より余裕が出たために開発できたとした。

 1カ月や2カ月というスピード開発も珍しくない同社だが、「UPQ BIKE me01」は、ベースとなったパーツや機構を製造する中国のメーカーと連携する一方、日本の法規への対応に時間をかけ、半年程度の時間がかかって、正式発表までこぎつけた様子を語った。

試乗会も開催

 発表会では報道陣を対象に私有地で簡単な試乗会も催された。

 キーレスエントリーは便利で、スタンドを上げ、電源ボタンを長押しすると電源が入る。スタート時のパワーを4段階から選択するだけで、あとは右グリップのアクセルを回すと進み始める。ステップはシートの真下に用意されており、見た目の印象ほど無理なポジションではなかった。ブレーキはワイヤー式で、試乗前は制動力に不安もあったが、最高時速が30km程度のため不足はないようだ。

 ただし、パッと見は折りたたみ自転車のようなコンパクトさで、電動モーター駆動のためスタンバイ状態ではほぼ無音。引いて歩いている時などに、右のグリップを安易にひねってしまわないように注意したい。

 自宅周辺などの近所や、折りたたみ機構を活用した旅先での利用は面白そうだと感じられた。

中澤氏による走行デモの様子

太田 亮三