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ドコモ「2年縛り後の解約金ありかなしか」選べる料金へ、長期契約向け割引も改定
(2016/4/14 11:54)
NTTドコモは、2年契約を終えた後、解約金の有無をユーザーが選べる「フリーコース」「ずっとドコモ割コース」を新たに設ける、また、長期契約するユーザー向けの既存割引サービス「ずっとドコモ割」の適用範囲と割引額を拡大する。これらの取り組みは6月1日から導入される。
登壇したNTTドコモ取締役常務で経営企画部長の阿佐見弘恭氏は「タスクフォースなどがあって、ユーザーからもさまざまな声をいただいた。利用が少ない人に向けたプランを、あるいは2年経ったら解約金がかからないようにしてほしい、長く使っている人をもっと優遇してほしいといったものだ。今回は、後者2つの課題に向けたプランを発表する」と述べて、説明会を開始した。
2年契約で解約金の有無を選ぶ
新設するコースのうち、フリーコースは、「ずっとドコモ割」や、新設の「更新ありがとうポイント」がない一方、基本料金は従来のまま、解約金が不要となる。既存ユーザーは、現在の契約で2年の満期を迎えてから「フリーコース」か「ずっとドコモ割コース」を選ぶ。
もう一方の「ずっとドコモ割コース」は、料金は従来のまま、2年間の契約を中途解約すると解約金がかかる一方で、「ずっとドコモ割」「更新ありがとうポイント」が適用される。
対象となるのは、カケホーダイとカケホーダイライト、データプランのユーザー。法人は対象外。
6月から導入されることになるが、ユーザーが「フリーコース」を選べるのは、現在のプランの契約期間が満了するとき。たとえば2016年3月に2年契約が満了していると、更新期間は4月と5月になってしまい、6月開始の「フリーコース」を選べるのは2年後まで待つことになり、それまでは自動的に「ずっとドコモ割コース」が適用される。更新期間に入るタイミングで、ユーザーにはSMSで契約期間の更新が近づいたことが通知され、2つのコースがあることも伝えられる。ユーザーが自主的に選ばなければ、自動的に「ずっとドコモ割コース」になる。
いったんフリーコースを選択しつつ「ずっとドコモ割コース」に切り替えることもできる。たとえばフリーコースを選んでから1年11カ月経った段階で「ずっとドコモ割コース」に切り替えることもできる。どちらのコースを選んだとしても、契約期間に変わりはなくリセットされることはない。
ずっとドコモ割の拡充
ずっとドコモ割は、利用期間が長いほど割引額が多くなるサービス。たとえば15年以上契約していると、シェアパック30の場合、割引額が1カ月あたり2000円になるという形だった。
今回の改定により、割引適用が5年以上だったところ、4年以上からにする。これにより契約期間の基準は「4年以上」「8年以上」「10年以上」「15年以上」の4種類となる。割引額も最大2000円だったところ2500円に拡大する。
なお、シェアパック5/データパック(L/M/S)の10年以上と15年以上、そしてシェアパック10の8年以上、10年以上、15年以上という区分については、割引額に変化はない。また15年以上契約するユーザーについては、たとえば20年以上といった新たな区分の設置は見送られ、大容量プランに限られるものの割引額の増額という特典にすることで、大容量なパック、あるいは長期契約のユーザーにより多くのメリットを感じてもらえることを目指したのだという。
適用範囲については、シェアパック5、Mパック、Lパックについては契約期間が10年以上されていたが、4年以降、8年以降という枠を設ける。
更新ありがとうポイント
更新ありがとうポイントは、ずっとドコモ割コースで2年契約を更新するたび、回線ごとにdポイント3000ポイントがプレゼントされるというもの。ここで付与されるポイントは、通信料には充当できず、ポイント交換商品・他社ポイントへの交換・寄付・データ量の追加には使えない。有効期限および獲得できるのは、2年契約を終えたあとの更新期間(2カ月間)が終わってから6カ月間。専用サイトにアクセスすると獲得できる。
ユーザーの声に応えた
携帯電話の料金関連では、総務省で進められた議論を受けて、ライトユーザー向けの1GBプランなどが登場している。今回、ドコモが発表した施策は、いわゆる“2年縛り”に関するもの。2年縛り関連では、契約期間終了時の更新期間(解除料が発生しない期間)を1カ月→2カ月にしたり、SMSでその時期が近づいてきたことを通知したりする、といった取り組みが新たに導入される。
また、競合他社であるソフトバンク、auからは、2年間の契約を終えた後、解約金が発生しない料金プランとして、従来より300円高い“新2年契約”が発表されている。これに対してドコモは今回、料金はそのままで特典を変えるという形態を選んだ。説明を行った阿佐美氏によれば、競合他社のようなプランも検討はしたものの、ユーザーからの要望に応えることを目指した結果、料金そのままで特典を変えることを選択したという。
また、フリーコースを選んだからといって月々サポートの金額には影響しないとのことで、「端末価格と完全に切り離した」(阿佐美氏)も特徴のひとつだ。
阿佐美氏は、今回の施策がドコモにとっては減収と増収、両方の側面があると説明。たとえば「更新ありがとうポイント」、3000円相当の還元となるため、ドコモにとっては減収要因となるものの、コストダウンなどをすることで業績全体には影響がでないようにする、と語る。
今回の会見は14日朝、急遽、報道関係者に案内された、いわゆる“緊急会見”。ただ、ドコモではこのタイミングで新施策を発表した理由について、準備が整ったため、とするに留めた。
フリーコースの提供により、どの程度のユーザーが恩恵を受けるのかという問いに、具体的な数の公表は避けつつ、阿佐美氏は「これまでにないもので、提供してみないとわからないが、1~2割程度ではないか」と予測。また「ずっとドコモ割」の拡充に関して、パケットパックの利用傾向や、ドコモユーザーの契約期間の割合を問う声もあがったが、非公表とされた。