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アップル、腕時計型デバイス「Apple Watch」を2015年初めに発売
(2014/9/10 05:29)
米アップルは腕時計型のウェアラブルデバイス「Apple Watch」を発表した。発売は2015年の初めで、価格は349ドルからとアナウンスされている。
今回発表されたのは、「Apple Watch」と「Apple Watch Sport」、「Apple Watch Edition」の3つのデザイン違いのモデル。ケースのサイズは縦42mmと縦38mmの2種類が用意され、バンドも6種類のものが選べる。
いずれのモデルも機能面は共通で、iPhone 5以降のiPhoneと連携させて利用する。通信機能としては802.11b/gのWi-FiとBluetooth 4.0を搭載する。詳細なスペックは未公表。
前面にフルカラーのタッチパネルディスプレイを搭載し、右側面にプッシュ操作もできる「デジタルクラウン」と名付けられたダイヤル(リューズ)を搭載する。ディスプレイは静電容量のタッチだけでなく、圧力も感知し、軽く触っただけなのか、しっかりと押されたのかを判別する。背面には心拍センサーを搭載し、加速度センサーも内蔵している。
UI操作はiPhoneのマルチタッチをベースにしているが、側面のダイヤルも多用している。例えば画面のスクロールや数字の選択など、スワイプ操作が必要なUIでは、画面が小さいため指で画面が隠れ、操作性が損なわれるといった観点から、ダイヤルで操作できるようになっている。マルチタッチも事実上不可能なため、ズーム操作にはダイヤルを使えるようになっている。また、ダイヤルのプッシュ操作がホームボタンになっている。
時計表示の盤面デザインは変更が可能で、モジュール単位でカスタマイズできるものも用意される。時刻はiPhoneと同期することで、iPhoneと同じ、その場所の時刻が自動的に設定される。
iPhoneと連携する各種機能が搭載されている。例えばiPhoneに届いたメッセージをApple Watchに表示して、さらに定型文や絵文字、音声入力で簡易返信できる。メールついてはApple Watch上で表示し、既読や未読のマークを付けたり、ごみ箱に入れたりできる。内蔵スピーカーとマイクを使い、Apple Watchを音声通話に利用することもできる。
独自のコミュニケーション機能として「Digital Touch」という機能が搭載される。これはApple Watchユーザー同士が使える機能で、画面上を指で描いた軌跡を送りあったり、音声を送り合ったり、画面をタップした感触や自分の心拍を相手に伝えたりできる。
また、SiriもApple Watchから利用できるほか、地図を使ったナビ、Passbook、iPhoneの音楽コントロール、Apple TVやパソコン上のiTunesのコントロール、iPhoneのカメラリモコン、ストップウォッチやタイマー、アラーム、世界時計、株価や天気などのアプリも搭載している。
このほかにもApple Watchのための開発環境「WatchKit」が公開され、サードパーティもApple Watch向けアプリを開発したり、iPhone上のサードパーティアプリの通知をApple Watchに表示させたりできる。
フィットネストラッカーとしての機能も標準搭載している。加速度センサーなどにより、消費カロリーの「ムーブ」と早歩き以上の「エクササイズ」、立っている時間の「スタンド」の3つの指標を計測し、それぞれの指標が目標に達しているかどうか、3重の円形グラフで表示するようになっている。ランニングやサイクリングなどのワークアウト時には、より細かい目標を設定できる。また、心拍数をベースに運動強度も測定できる。
3つのラインナップのうち、標準的な「Apple Watch」のケースはポリッシュ仕上げの316Lステンレスで、シルバーとスペースブラックの2種類があり、スペースブラックではダイヤモンドライクカーボンをコーティングしている。前面はサファイアクリスタルガラス。バンドは幅広い種類のラインナップが用意される。
「Apple Watch Sport」のケースはシルバーもしくはスペースグレイのアルマイト加工が施された7000番台のアルミニウム合金。前面は強化されたアルミノケイ酸ガラスのIon-Xガラスで、ステンレスのモデルに比べて最大30%軽くなっている。バンドは耐久性の高い、カラフルなフルオロエラストマーのものが用意されている。
「Apple Watch Edition」のケースは、18金のイエローゴールド、もしくはローズゴールド。前面はサファイアクリスタルガラス。高級な仕上がりのバンドが用意される。
充電は、背面に専用の電磁誘導型の充電器を磁石で貼り付けて行なう。稼働時間や充電時間は未公表。このほか、サイズや重さなどの細かいスペックも公表されていない。NFC対応の有無についても明示されていないが、新しい決済サービス「Apple Pay」をApple Watchで利用することもできる。