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ソフトバンク、下り最大165Mbpsのモバイルルーター「Pocket WiFi 303ZT」

WCPがキャリアアグリゲーション、ソフトバンクも2015年以降に

 ソフトバンクモバイルは、9月下旬以降、モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi 303ZT」とその法人向けモデル「304ZT」を発売する。通信サービスの「SoftBank 4G」(AXGP方式)、で、新たに、複数の周波数帯を束ねて通信できる技術「キャリアアグリゲーション」(CA)が導入され、「303ZT」「304ZT」では下り最大165Mbpsで通信できる。

303ZT

 「Pocket WiFi 303ZT」は、ZTE製のモバイルWi-Fiルーター。約2700mAhのバッテリーを内蔵し、連続で約9時間、通信できる。無線LANの親機として5GHz帯、IEEE802.11 a/b/g/n/acに対応し、最大14台まで同時に接続できる。2.4インチカラー液晶を備え、単体で設定などを確認できる。大きさは約117×62×13.9mm、重さは約150g。ボディカラーはラピスブラック。価格は未定。

 対応通信方式として、3G(W-CDMA、1.7GHz帯)のほか、同社モバイルルーターとして初めて下り最大112.5Mbpsの「SoftBank 4G LTE」(FDD-LTE方式、900MHz帯、1.7GHz帯、2.1GHz帯)をサポート。また、「SoftBank 4G」で新たにスタートするキャリアアグリゲーションにも対応し、下り最大165Mbpsで通信できる。上り速度はこれまで通りで最大10Mbps。

303ZT

 一方、法人向けの「304ZT」はほぼ同一のモデルながら、W-CDMA方式の対応周波数が異なり、900MHz帯、2.1GHz帯をサポートする。

304ZT

AXGPのCA、ソフトバンクはFDD-LTEでも2015年以降に

 ソフトバンクモバイルの高速通信サービスは、グループ会社のWireless City Planning(WCP)のAXGP方式によるネットワークを借り受ける「SoftBank 4G」と、ソフトバンク自身の電波を使うFDD-LTE方式の「SoftBank 4G LTE」がある。

 今回、303ZTがサポートするAXGPのCAは、WCPの設立以前、ウィルコムに割り当てられていた周波数帯を使って実現する。もともと2.5GHz帯の免許が割り当てられた際、その電波は30MHz幅だったが、これまで利用できた周波数は20MHz幅だけだった。それが今夏より、30MHz幅全てを使えるようになったとのことで、これまでの20MHz幅、そして新たに使える10MHz幅をキャリアアグリゲーションで束ねてサービスを提供する。使える周波数が1.5倍になるため、通信速度も単純に1.5倍となり、下り最大110Mbpsから165Mbpsにアップする。隣接する周波数帯だが、AXGP方式では最大20MHz幅まで扱えるとのことで、30MHz幅をひとまとめにするのではなく、「20+10」として運用することになったのだという。

 利用可能なエリアは、東名阪の一部で、順次拡大される予定。なお、AXGP方式では、キャリアアグリゲーションに関わりなく、バックボーン回線の影響で、一部の市町村役場や出張所で、下り最大1Mbps以下になることがある。そうしたエリアは「SoftBank 4G」のサービスマップ上では、圏外として扱われる。

 キャリアアグリゲーションが導入されたことで料金はどうなるのか、現時点では未定とのこと。

 一方、ソフトバンクモバイルでは、FDD-LTE方式で「SoftBank 4G LTE」について、2015年以降にCAを開始する方針。これにより、下り最大187.5Mbpsにまで高速化できるとしている。なお、こちらの提供エリアは未定。対応機種も現時点では明らかにされていない。

関口 聖