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「これはお祭りのこけら落とし」、Xperia×初音ミクのARライブ

 日が沈み、涼しげな風がときおり吹き抜ける東京・六本木ヒルズのメトロハット。16日19時30分ちょうど、スマートフォンのディスプレイの向こうに、アーティスト・初音ミクが登場し、約5分、人気曲「Packaged」を披露した――。

 メトロハットを舞台にしたAR(拡張現実)イベント「HATUNE MIKU AR STAGE」がスタートした。7月21日まで、毎日19時30分~23時、5分間のステージが10分おきに楽しめる。NTTドコモが9月下旬にリリースするという、3万9000台限定のコラボスマホ「Xperia feat.HATSUNE MIKU SO-04E」の発売に向けて実施されたイベントで、ファンが手持ちのスマートフォンで楽しむだけではなく、イベントを知らずに六本木ヒルズの前を通り過ぎる人々でも、貸出用の端末を使って堪能できる。

舞台となる六本木ヒルズのメトロハット
イベントは夜になってから
メトロハットの内側に掲げられた初音ミクのイラストを紹介する岡野氏
どこからでも初音ミクと目があうような印象を与える、そんなイラストをリクエストしたとか

 イベントを仕掛けたNTTドコモ プロモーション部の岡野令氏は、以前、プロダクト部でコラボレーション端末の商品企画を担当していた人物で、昨夏話題になった“ジョジョスマホ”「L-06D JOJO」の担当者でもある。ジョジョだけではなく、初音ミクも愛する同氏が今回、「Xperia feat.HATSUNE MIKU SO-04E」のプロモーションに携わることになり、約1カ月かけて、このARイベントを準備した。

 「これから『Xperia feat.HATSUNE MIKU SO-04E』でさまざまな取り組みを実施するが、第一弾となる今回、下手なものは用意できなかった。ビジュアル面、あるいは楽曲を作ったり歌ったりするなど、初音ミクに対して、ファンはそれぞれ多様な切り口で楽しんでいる。しかし個人的には初音ミクはやはりアーティストだと思っている。音楽で人と人を繋げる存在だ。今回は“祭りのオープニング、こけら落とし”という位置付け。音楽が関わるイベントになった。しかも、これだけ大規模なAR、しかも夜間というものは、これまでにない取り組み。ファンだけではなく、初音ミクにあまり興味がなかった人にも楽しんで欲しい」

少し離れた場所が推奨エリア。ここならメトロハットの上に立つ初音ミクを楽しめる
メトロハットの目の前でも楽しめる。ただしここでは屋上の初音ミクは見えない

 そう語る岡野氏によれば、今回、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開発を担当。ソニーの技術「SmartAR」を用いて、建物の外壁にARコンテンツを認識するマーカーを配置する、という仕組みを採用したという。夜間にイベントを行うのは、「昼よりも夜のほうがARというコンテンツは馴染みやすい」(岡野氏)と判断したため。ただし、都心ど真ん中とはいえ、夜間となれば、スマートフォンのカメラにとっては光が少なくなり、被写体を捉えにくくなる環境だ。肝となるのはオートフォーカスの性能で、非対応機種はそうした面で利用しづらい機種なのだという。ただ、高性能すぎるカメラではマーカーと他の模様を区別しづらいとのことで、“ほどほどの性能を持つカメラ”のほうが、夜間のARコンテンツを楽しめる、という。

 発売が9月下旬と、まだまだ先となる「Xperia feat.HATSUNE MIKU SO-04E」だが、今回のイベント映像は収録されない。今回、唯一披露された楽曲「Packaged」については、イベントを観賞した先着1500名がリミックス曲のショートバージョンをダウンロードできる。ロングバージョンは、今後発売されるCDに収録されるとのこと。

イベントがスタートすると……
パズルのピースのように並んでいた外壁のイラストが1つのイラストに
グググッと開いて……
初音ミクが飛び出してくる

関口 聖