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IDC Japanの調査、2024年のシェア1位はApple、サムスンがシェア低下も単価大幅アップ

 IDC Japanは、国内のフィーチャーフォンとスマートフォンの2024年第4四半期および通年の出荷台数を発表した。

 国内市場の合計出荷台数は、前年同期比+3.2%の857万台で、スマートフォンの出荷台数は850万台となり、前年同期比で2.6%増加した。OS別では、iPhoneとAndroidがどちらも前年と比べて出荷台数が増加している。

メーカー別シェア(IDC Japan調べ)

 iPhoneは本体価格が上昇しているが、通信事業者のキャンペーン対象となっていることから引き続き好調で、AndroidはFCNTの再参入によって市場が活性化したが、平均販売価格は大きく下がっていると分析している。

メーカー別ではAppleが首位

 メーカー別のシェアは、1位がAppleで前年比+1.2%と微増だが、1台あたりの平均販売価格は11%以上の上昇となり、収益性を確保しながらシェアトップを維持している。

 2位はシャープで前年比+7.9%増。出荷数は順調だが、平均販売価格は7%を超える低下を示しており、IDC Japanでは円安や物価高などのコスト増を販売価格に転嫁できていないと分析している。

 同社の出荷端末の多くは「AQUOS wish」などのエントリーモデルであり、コスト増の影響が他社よりも大きいが、同モデルは市場から高く評価されており、価格帯を維持できれば2025年も同水準のシェアをキープできると分析する。

 3位のGoogleは前年比18.2%のマイナスとなった。同社のシェアは2023年に急激に伸び、2024年は前年比で大幅減となったが、8.7%のシェアを獲得している。

 Googleは、Google ストアの下取り価格でiPhoneを高く買い取りするなど、iPhoneからの乗り換えを促す施策を行っているが、Appleの国内での成長を踏まえると、現在まであまり成功していないように見えると分析している。

平均単価

 また、同社が行っている積極的な値上げや、ほとんどスペックが変わらない機種を「aシリーズ」として廉価版として発売する戦略に、今後もユーザーがついてくるか未知数であると警鐘を鳴らしている。

 4位はレノボで前年比+15.1%。同社の実績にはFCNTとモトローラが合算されており、2024年後半にFCNTが出荷台数を戻したことが増加に大きく寄与している。一方で、FCNTの出荷台数は民事再生以前の水準に達していないため、2025年には更なるシェア拡大も狙えると分析する。

 5位はサムスンで前年比0.9%減、2023年並の出荷台数だが、平均販売価格は30%弱上昇しており、2020年との比較では2倍以上上昇している。iPhoneが非常に強い日本において、シェア獲得ではなく収益性を確保する戦略として成功しているように見えるとコメントしている。

メーカー別シェアと成長率
メーカー2023年第4四半期2024年第4四半期前年同期比成長率
(23年第3四半期)
前年同期比成長率
(24年第3四半期)
Apple55.0%54.4%3.4%1.5%
シャープ11.4%11.9%-13.7%6.6%
レノボおよびFCNT2.2%10.0%-76.3%372.8%
Google11.0%7.7%256.1%-27.7%
サムスン4.8%3.9%-46.5%-17.5%
その他15.6%12.2%5.4%-19.9%
合計100%100%-2.4%2.6%