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新型「iPad Pro」発表、「M4」搭載でアップル史上最薄

 アップルは新型の「iPad Pro」を発表した。11インチと13インチの2モデルが用意される。256GB、512GB、1TB、2TBの4つの容量がラインアップされる。予約はすでに受け付けており、5月15日に発売される。

 11インチモデルの価格は日本では16万8800円~、米国では999ドル~。13インチモデルは、日本では21万8800円~。米国では1299ドル~。

アップル史上最薄の製品

 新しいiPad Proは、11インチモデルが厚さ5.3mm、13インチモデルでは5.1mmと薄型化を実現。「iPod nano」よりも薄く、アップル史上最薄のデバイスとうたう。全モデルよりも薄型化したが、強度は保っているという。重さは11インチモデルで450g未満。13インチモデルは前モデル比で約100g軽量化された。カラーバリエーションはシルバーとスペースブラックの2色展開で、本体の素材は再生アルミニウム。

 ディスプレイには「Tandem OLED」を採用。2枚のOLEDパネルを使用して両方の光を組み合わせることで、輝度を向上させた。SDR/HDRコンテンツで1000ニト、HDRでは1600ニトのピーク輝度を実現する。ひとつのピクセルの色と輝度の制御をサブミリ秒単位で可能にし、XDRの精度を高めたという。黒い画はより黒く、影や暗い部分の表現力も向上し、動きの速い映像への応答速度も向上したとしており「Ultra Retina XDR」と呼称する。

 プロ向けに「ナノテクスチャーガラス」を用意。ナノ単位でのエッチングが施されており、画質とコントラストを担保しながら周囲の光を拡散、映りこみを減らす。

新型Apple Silicon「M4」を搭載

 チップセットには、3nmプロセスルールを採用する新型Apple Siliconの「M4」を搭載。CPUは最大4つの高性能コアと6つの高効率コアを搭載、GPUも10コアを備える。M2比で50%演算能力が向上しており、画像処理能力も同じく4倍になっている。

 GPUは「Dynamic Caching」のほかレイトレーシング、ハードウェアアクセラレーションによるメッシュシェーディングなどに対応する。M2と比較してM4は半分の電力で同じパフォーマンスを発揮できるとしており、Windowsパソコン向けの最新チップセットと比較して1/4の消費電力で同じ処理を実行できるとする。

 広くなったメモリー帯域幅とあわせて、Octaneに代表されるプロ向けレンダリングアプリのパフォーマンスは4倍高速化された。「AV1デコード」に対応しており、ストリーミングビデオの視聴などでの電力消費をおさえられる。

 さらにAI機能も強化。毎秒38兆回の演算処理が可能としており、同社の「A11 Bionic」と比較して60倍高速化された。これにより映像処理アプリの「Final Cut Pro」のシーン除去マスクで1度のタップで4K映像の被写体を背景から分離できるなど、AIによる作業がより高速に行えるという。

インカメラは横向きに

 本体には1200万画素のアウトカメラを搭載。新しい「アダプティブTrue Toneフラッシュ」を備える。AIにより書類を識別し、影が映りこんでいると複数の写真を撮影しつなぎ合わせるという。

 本体前面のカメラは横向きを前提に搭載されている。センターフレームに対応する超広角1200万画素で「Magic Keyboard」や「Smart Folio」などカバーを付けた際のビデオ会議でより使いやすくなった。

 本体に備える端子としてはThunderbolt 4とUSB 4対応のUSB Type-Cを備え、最大40Gb/sの接続を可能にする。Wi-Fi 6Eにも対応するほかセルラーモデルは5G通信に対応する。本体にSIMカードスロットは備えず、eSIMにのみ対応する。