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iPhone向けの通話記録サービス「Switch」が日本上陸、AI活用でマルチ言語の文字起こし記録

 アトラスコネクトは20日、iPhone向けにの発着信時に通話内容を記録し文字起こしするサービス「Switch」の提供を開始した。現在使用している携帯電話番号を変更せずに、クラウドかつマルチ言語で文字起こしまで対応する。

 料金は、0円のフリープランと月額3990円(年額3万9980円)の1000分プランが用意されている。フリープランでは30分、1000分プランでは月1000分の間サービスを利用した通話が利用できる。

 サービスは、iPhoneアプリから利用できる。発信時にアプリ経由で発信することで通話が自動的に録音され、言語に合わせて文字起こしされたものも記録される。電話を受ける際は、後述の転送電話設定をするかサービス利用時に用意される電話番号で発信されると、サービス経由の通話となり同様に通話が録音/記録される。

 記録された通話履歴は、アプリから確認できる。音声や文字起こしデータは、テキスト会話アプリのようなインターフェイスで、自分の声と相手の声を分けて確認でき、メッセージをタップすることでその箇所の記録音声を再生することもできる。

 また、記録データを確認できるリンクを発行することで、ほかのユーザーと共有したり、音声データとテキストデータをファイルとしてダウンロードすることもできる。

 記録に対応する言語は、日本語や韓国語のほか、中国語、ドイツ語、英語(米国/英国/オーストラリア)、スペイン語、フランス語(フランス/カナダ)をサポートしている。

 利用時には専用の電話番号が用意され、電話の発着信時にその番号を経由させることでサービスが提供される。発信時は、相手にユーザーの携帯番号が通知され、相手から受電する際は通信事業者の転送電話サービスを利用することで、ユーザーの電話番号を変更せずにサービス経由の通話ができる。

 アプリ内では、サービスの内容や設定方法を紹介するコンテンツが用意されている。たとえば、通話記録を確認できるデモ画面では、声優の梶裕 貴と鬼頭 明里の掛け合いで再現されている。

韓国では90万ユーザーが利用

 同サービスは、韓国でサービスが展開されており、すでに利用者が90万を超えている。日本国内のサービス展開にあたり、2021年に法人を立ち上げ、時間をかけてサービス展開の準備を進めてきたという。

 日本展開の理由として、日本でのiPhone市場を挙げており、韓国国内でのiPhoneのシェアは20%程度である一方、日本国内では60%以上のシェアを持っている。iPhone向けの通話記録アプリが少ない中、日本市場は同社にとっても「大きな市場」との認識だという。

 韓国では、コールセンターといった常時通話をする業務よりも、営業マンや宅配関連の個人事業主など、通話頻度がそれほどで通話記録の需要があるユーザーに求められており、日本でも個人や個人事業主をまずは中心に展開していく。

 一方で、法人ユースにも目を向けていないわけではなく、今後検討していくとしている。

 なお、IP電話網を利用したサービスとしていることもあり、サービス利用時には紐付ける携帯番号を利用した本人確認が必須とされているほか、セキュリティ対策のため通話記録の画面のスクリーンショットはできないように制限されている。

 今後は、大規模言語モデル「GPT」と連携したサービスの展開や、プランの通話残高を超えた場合に追加できるようなオプションの提供などを予定しているという。