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グーグル、RISC-V向けAndroidのサポートを開始

 グーグル(Google)は10月30日、Androidにおいて、オープンソースのISA(Instruction Set Architecture、命令セットアーキテクチャ)である「RISC-V(リスク・ファイブ)」のサポートに関する最新の状況を同社の「Google Open Source」ブログに掲載した。

 RISC-Vは、カリフォルニア大学バークレー校で作成されたISAで、近年はアクセラレーター、サーバー、モバイルコンピューティングなどへの採用が拡大している。

 グーグルは、2022年11月のRISC-VサミットでRISC-Vのパッチに対応することを発表していた。そして今年、ヨーロッパでのRISC-Vサミットにおいて、AndroidにおけるRISC-Vのサポートを進めていることを発表した。

 モジュール型ISAであるRISC-Vには多数の拡張機能があるほか、RISC-Vを実行するCPUに必要な初期セットが決定されたという。このセットには、rva22プロファイル、ベクターおよびベクター暗号拡張機能が含まれる。

 さらに、仮想Androidデバイスである「Cuttlefish」を使って、RISC-V向けAndroidのサポートを自分のマシンでも構築、テスト、実行できるようになった。

 これらのパッチは基本的なAndroidオープンソースプロジェクトの構築と実行をサポートしているものの、現時点では「Android Runtime」(ART)などにおいてまだ完全には最適化されていないという。

 今後、年内にNDK ABIが完成して利用可能になる予定。また、x86-64およびARM64マシン上でriscv64のAndroidアプリケーションをより容易にテストできるようになる。

 2024年までには、さまざまなデバイスのアプリケーションをテストするための完全なエミュレーターを一般公開する予定だという。