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クアルコム、公式ブログでRISC-Vへの取り組みを紹介

 米クアルコム(Qualcomm)は、同社の公式ブログで、オープンソースのISA(Instruction Set Architecture、命令セットアーキテクチャ)である「RISC-V(リスク・ファイブ)」への取り組みを紹介している。

RISC-Vについて

 RISC-V標準の開発は、2010年にさかのぼる。カリフォルニア大学バークレー校の研究者が、最小限の制限で使えるシンプルで強力なISAを作成した。2015年、RISC-VはフリーのオープンソースISAとしてリリースされ、ロイヤリティやライセンス料なしで、RISC-V仕様に基づくプロセッサーを設計、製造、販売できるようになった。

 RISC-Vはオープンソースであり、設計者や開発者は既存のISAコードベースを変更し、改良できる。柔軟性やコスト面での利点により、AIコンピューティングや5Gネットワークの機械制御など、さまざまな分野で活用されている。

クアルコムの取り組み

 クアルコムは5月末、グーグル(Google)やインテル(Intel)、エヌビディア(NVIDIA)やサムスン電子などとともに、「RISE」プロジェクトを立ち上げた。プロジェクトの名称はRISC-V ソフトウェア・エコシステム(RISC-V Software Ecosystem)に由来しており、アプリケーション・プロセッサー専用の堅牢なソフトウェア・エコシステムの実現を目指す。

 また、ハードウェア面では、ロバート・ボッシュなどとの共同出資により、RISC-Vの採用を加速する計画を発表。互換性のあるRISC-Vベースの製品の実現などを視野に入れる。自動車のほか、モバイルやIoTへの拡大も図っていく。

 クアルコムは、RISC-Vについて、オープンソースならではの柔軟性や可視性を評価。クアルコム・テクノロジーズでは2019年以降、RISC-Vを自社製品に統合してきた。たとえば「Snapdragon 865」プラットフォームでは、RISC-Vマイクロコントローラーが統合されている。

 クアルコム・テクノロジーズではこれまで6億5000万個以上のRISC-Vコアを出荷しており、この数は今後も増えていく見通しと紹介されている。