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NUROモバイルで「かけ放題メインの新プラン」や割引拡充施策などが発表――NUROモバイルの現況やドコモ回線に関する質疑など

 ソニーネットワークコミュニケーションズは、MVNOサービス「NUROモバイル」の新料金プランや新施策に関する記者説明会を開催した。説明会では、かけ放題をメインとした新料金プランや光回線サービス「NURO 光」とのセット割引の拡充、バリュープラスにデータ容量15GBの新プラン登場などが発表された。

 本稿では、発表内容を中心に、NUROモバイルの現況やNTTドコモの回線品質問題、将来的なプラン構成や料金に関する質疑も含めてご紹介する。

かけ放題ジャスト

 かけ放題プランを刷新し、5分かけ放題プラン(930円)と10分かけ放題プラン(1320円)、かけ放題プラン(1870円)の3種類をラインアップする。

 5分かけ放題プランと10分かけ放題プランはどちらもデータ容量が1GBついた料金プラン。データ繰り越し機能やパケットギフト機能が利用できるほか、LINEメッセージの送受信でデータが消費されないバリューデータフリー、低速モードに切り替えてデータ容量を消費しない節約スイッチ機能を備える。

 かけ放題ジャストでは、このほか通話1回あたりの時間無制限のかけ放題プランが1870円で月間1GBのデータ容量が付いている。この無制限のプランでは、データフリー機能は付いてない。これに関しては「長電話をするユーザーが中心で、データ容量はほとんど使われない」とし、今後ユーザーニーズを踏まえて検討していくとしている。

 かけ放題ジャストは、NTTドコモ回線とau回線で利用できる。ソフトバンク回線での提供については「条件や課題があり提供を見送る」とコメントしつつ、これらが解決すればユーザーニーズを踏まえて拡大を検討するとした。

バリュープラスに15GBプラン「VLLプラン」が登場

 料金プラン「バリュープラス」では、あらたにデータ容量15GBの「VLLプラン」が登場した。料金は、月額1790円。

 VLLプランでは、3カ月ごとに追加でデータ容量が進呈される「Gigaプラス」で3カ月ごとに9GB追加で受け取ることができる。このほか、ほかのバリュープラスのプラン同様「バリューデータフリー」などの機能も備えている。

 今回のプラン追加により、バリュープラスはデータ容量3GBの「VSプラン」(月額792円)、5GBの「VMプラン」(月額990円)、10GBの「VLプラン」(月額1485円)、15GBの「VLLプラン」(月額1790円)の4プランがラインアップされる。

「NURO 光 セット割特典」1年間最大1100円割引

 同社の光回線サービス「NURO 光」とNUROモバイルをセットで利用すると、1年間月額料金が最大1100円割引される「NURO 光 セット割特典」が提供される。これまでのセット割引から割引幅が拡大されている。

 対象となるのは、NURO 光2ギガ(3年契約/2年契約/契約期間なし)またはNURO 光10ギガ(3年契約/契約期間なし)を新規契約し、専用ページからNUROモバイルのバリュープラスまたはかけ放題ジャスト、NEOプラン、NEOプランWの音声SIMを契約したユーザー。

 また、特典の受取期間中は、申し込み時の月額基本料金を下回るプランに変更せずに利用を継続する必要がある。

 割引額の月1100円を下回る料金プランでも割引対象になる。たとえば、バリュープラスVSプラン(月3GB)では、月額792円が実質0円で利用できる。

このほかの実施中キャンペーン

好調なNUROモバイル事業

ソニーネットワークコミュニケーションズ MVNO事業室 室長の田中 直樹氏

 累計加入者数について同社MVNO事業室 室長の田中 直樹氏は、30カ月連続で純増しており、23年9月末の累計加入者数は21年3月比で3倍の数字になっているという。これをけん引しているのがバリュープラスとNEOプランであるとし現況を説明した。

 バリュープラスについては、40代ユーザーが多く、乗り換え前の通信会社はMNO/MVNOで特に偏りが無く、加入後のユーザーも満足度が高いとアピール。

 NEOプランやNEOプランWについては、デジタルネイティブユーザーに向けた料金プランで、20~50代までの幅広いユーザーに指示されている一方、バリュープランと比較すると20代の年齢構成が高い傾向にあるとした。また、乗り換え前の通信会社ではMNOからの転入が圧倒的に多く、ユニークなNEOプランが多くのデジタルネイティブ層に支持されている結果との分析を示した。

 また、NUROモバイルではモバイルアプリを3月にリリースし、ユーザーからの評価も高いとした。

ドコモ回線の品質問題やプラン統合など

ドコモ回線の品質問題

 近年ドコモ回線の品質について大きく注目されている。NUROモバイルに限らず、MVNO事業者の多くは、ドコモ回線を利用したサービスを展開しており、ドコモ回線の品質によっては自社サービスの顧客満足度に直結するかたちとなる。MVNO事業者においても、ドコモに対して働きかけをしている事業者も一部ある。

 NUROモバイルでは影響が出ているのか。

 NUROモバイルの企画設計担当者は「我々も把握している情報は、ドコモが発表した情報のみ。日々の速度については変化があり、ネットワーク状況は日々監視しており、MNO(ドコモやKDDI、ソフトバンク)の影響を受ける部分もある」とコメント。

 一方で、MVNOの中でできる品質管理の領域では、日々状態を確認しながら計画的に改善、増強を行いながら安定的なサービスを提供していくとした。

 なお、傾向としては「auとソフトバンク回線が少し増加している」としている。

将来的なプラン統合はあるか

 今回、バリュープラスでVVLプラン(月15GB)が登場し、NEOプラン(20GB)との隔たりが近づいている印象を受ける。

 将来的にバリュープラスとNEOプランの統合はあるのだろうか?

 田中氏は「NEOプランは通信品質にコストを掛けており、料金体系もバリュープラスより少し上がっている」とし、ユーザーニーズによるとしながらも、「ライフスタイルに合ったプラン群として提供している」とし統合しないという見方を示した。

値上げ傾向について

 料金プランについては各社ともに定期的に改定しており、MNOでは金融や自社カードホルダーの優遇などとあわせて基本料金を値上げしている会社もある。

 NUROモバイルに関しては「ショップを運営する人件費などの影響は、NUROモバイルに関してはオンラインでやっている」とし、全体に与える影響は少ない見方を示した。

 また、端末値引規制の緩和に関しては「常に競合他社の状況は見ており、状況に合わせて検討していく」とし、具体的な施策については明言しなかった。

 なお、NEOプラン Liteの終了に関しては、「データフリーなどの機能が統一されていなかったため、全体の統一性の観点から終了した形」とした。