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CEATEC 2023「シャープ」ブース、健康関連ソリューションやSDGsなど製品作りに関わる最新技術を紹介

 幕張メッセ(千葉市)で、電子技術の展示イベント「CEATEC 2023」が10月17日~20日に開催される。入場は無料だが、事前に登録が必要。

 CEATEC 2023会場では、シャープ(ブース番号A102)が出展している。サステナブルな社会実現への取り組みや、健康に関する取り組み「DIGITAL HEALTHCARE(デジタルヘルスケア)」など、同社の最新技術が紹介、展示されている。

転倒予防ソリューション

 転倒予防ソリューションは、約1分間の測定でユーザーの転倒リスクを知ることができるソリューション。ユーザーは、測定台に乗り、センサーを利き手に装着し、1分間目をつぶって聞き手を扇ぐ動作をすることで、転倒リスクを測定できる。

測定台

 測定結果では、身体のバランスや耐性などを知ることができる。基本的な身体能力や感覚能力のほか、筋肉の柔らかさや安定性、揺れへの耐性などが評価される。

 たとえば、人間は目からの視覚情報も頼りにバランスをとっているが、手先の感覚が変わることでもバランス感覚が変わってしまうことがあるという。転倒リスク測定では、このようなシーンでも対応できる「感覚を切り替える力」の測定も行われている。

 実際に筆者も測定してみると、年齢よりも若い推定年齢で「ほっと胸をなで下ろした」一方、揺れへの耐性の項目が芳しくなかった。測定結果のシートでは、評価が低い能力を改善するためのトレーニング方法なども紹介されている。

筆者の測定結果

 今後企業や老人ホームなどへ機器を持ち込んで測定するようなソリューションの展開が期待されている。

睡眠改善やパーソナル栄養ソリューション

 健康関連では、このほか睡眠改善やパーソナル栄養ソリューションが展示されている。

 睡眠改善ソリューションでは、入眠から覚醒までの流れがスムーズにすすむよう、室温や照明、香りなどをコントロールするソリューションが紹介されている。

 パーソナル栄養ソリューションでは、ネットワーク接続対応の電子レンジを利用して、ユーザーやその家族の属性や身体の悩みにあわせてAIがおすすめの献立を提案し、そのメニューを電子レンジにインプットさせ、料理工程を簡略化できる。

パーソナル情報
電子レンジで作った料理の履歴
AIの献立提案
材料に合わせた料理
家族の健康状態にあったメニューを提案する
料理を電子レンジにインプット

サステナブルな取り組み

 また、シャープではサステナブルな社会の実現への取り組みも進めている。

 スマートフォン「AQUOS wish3」では、躯体に再生素材60%のプラスチックが使用されているほか、家庭から回収された古い家電からプラスチックを取り出し、再生工程を経て新品の家電部品に生まれ変わる取り組みを行っている。

 担当者によると、家電のプラスチック部品に使用されているプラスチックは「質の良いものを使っていることが多い」とし、今後も回収する家電や再生プラスチック使用部品の拡大を進めるとしている。

 シャープブースではこのほか、生物の“構造”から商品の性能改善を行う「ネイチャーテクノロジー」の取り組みや、物理ボタンの操作性をディスプレイで表現するクリックディスプレイなどが紹介されている。

クリックディスプレイ
ディスプレイ面に凹凸をデザインすることで、さまざまなユーザーが使いやすいように