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CEATEC「京セラ」ブース、離れてもワイヤレス給電できる技術や水中でのレーザー通信など最新技術を展示

 幕張メッセ(千葉市)で、電子技術の展示イベント「CEATEC 2023」が10月17日~20日に開催される。入場は無料だが、事前に登録が必要。

 CEATEC 2023会場では、京セラ(ブース番号A004)が、同社の最新技術を展示しており、体験できるブースが展開されている。

空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム

 「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」は、ワイヤレスで動く物体に電力を供給するもの。ビームフォーミング技術を活用し、電波を受信アンテナに向けて高精度に発射させることで、離れた物体向けに電力をワイヤレスで供給できる技術だ。

 CEATEC会場では、今回の技術のデモンストレーションが展示されている。デモでは、ドローンや車を見立てたものに向けて、ワイヤレスで電力を供給する。車は、円周のコース上を周回移動するもので、わかりやすいよう周辺にも漏れ出た若干の電力に反応するLEDライトが備えられており、実際の供給状況を確認できる。

デモ展示。車の模型の周辺のLEDは、漏れた若干の電力に反応して光っている
送信アンテナ

高精細 空中ディスプレイ

 昨年の展示で好評だったという空間ディスプレイが今回も展示されている。

 立体映像で映し出された炎を、映像上で触れると、それにあわせて炎の状況が変化する。加えて、炎に触れると熱が感じられるようなものになっているほか、炎を扇いでみると炎が消えそうになる演出が導入されている。

炎を触ると炎が小さくなる
イメージ
サーモカメラのようす。左から炎に触ると手の温度が上がる(サーモカメラの画面が黄色になる)が、離れると温度が下がる

可視光レーザーによる高速無線技術

水槽で横方向にある青い線が可視光レーザー

 電波による伝送が難しい海中や水中でのワイヤレス通信技術として、可視光レーザーを活用した高速無線通信技術が展示されている。

 実用化時点では10Gbpsによる通信を目指しており、担当者によると可視光が遮られたりするなど通信環境に左右されるところはあるものの、高速大容量で通信ができるため、自律航行できるものであれば海中での探索などで活用できるという。

 このほかにも、サステナブルな社会実現に向けた技術が展開されている。

 たとえば、AIなどでは欠かせない大規模データセンターなどで省電力化や冷却効率向上に寄与するオンボード光電気集積モジュールでは、省電力や省スペースのほか、液浸冷却にも対応し、データセンターの高集積化が期待できる。

 また、高品質なmicro-LEDを生み出す独自基板の新工法では、低コストで高品質化できる基板工法であるとともに、低消費電力で高効率なmicro-LEDを作製できるようになる。たとえば、低電力で明るい光を放てる照明が登場するなど、今後さまざまなデバイスでの活用が期待される。