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パナソニック、画像認識AIの“知ったかぶり”を防ぐ新技術

 パナソニック ホールディングスとPanasonic R&D Company of Americaは、画像認識AIモデルの誤認識を防ぐ技術「FlowEneDet」を開発した。AIモデルが学習していない物体を“未知の物体”として認識することで、信頼性を高めるものとなっている。

 画像認識AIのひとつである「セマンティックセグメンテーション」は、画像内の物体を、画素レベルで推定する技術。事前に学習した物体であれば高精度で推定できるが、学習データに存在しない物体が存在する場合の性能低下や誤認識が課題となっていた。

未知の物体に対し、誤ったラベルが無理やり振られてしまう例。上段では、左の画像内のビールケースが、右の推定で車(紺色)や道路(紫)になっている。下段では、犬が木(緑)や道路(紫)として推定されている

 今回開発された「FlowEneDet」は、AIモデルが認識結果にどれくらい自信を持っているか(不確実性)を推定する、フローベースの生成モデル。

 「FlowEneDet」では、「(AIが)学習した既知の物体」と「学習していない未知物体や誤分類」を切り離せる。また、通常のセマンティックセグメンテーションモデルの後段に「FlowEneDet」を追加するだけで機能する。

「FlowEneDet」を追加したセマンティックセグメンテーションモデル
評価結果の例

 「FlowEneDet」は、AI・機械学習技術のトップカンファレンス「UAI2023(The Conference on Uncertainty in Artificial Intelligence)」に採択された。7月31日~8月4日の米国・ピッツバーグにおける本会議で発表される。