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総務省、グローバルスターの衛星通信で新方式対応に向けたパブコメ募集

 総務省は、グローバルスターシステムの無線設備について、新たな方式(シングルキャリア周波数分割多元接続方式)に対応するため、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案などを発表し、同案に対する意見募集(パブリック・コメント)を実施している。意見の提出期間は7月20日~8月23日まで。

 今回の意見募集の対象は、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案、平成15年総務省告示第344号(外国の無線局等の無線設備が電波法第三章に定める技術基準に相当する技術基準に適合する事実を定める件)の一部を改正する告示案、電波法関係審査基準の一部を改正する訓令案の合計3つ。

 具体的には、電波法で定める特定無線設備(技適)の対象に、無線設備規則第49条の23の3で定義される非静止衛星に開設する人工衛星局の中継による携帯移動衛星通信を行う携帯移動地球局で、1610MHz~1618.75MHz以下の周波数の電波を送信し、2483.5MHz~2500MHz以下の周波数を受信するなどの要件を満たすものを追加するほか、電波法関係審査基準にグローバルスターシステムの新方式に関する規定を追加する案となっている。

電波法関係審査基準の一部を改正する訓令(案)

 総務省では、これまでグローバルスターシステムの無線設備は、日本国内では符号分割多元接続方式を用いていたが、海外ではシングルキャリア周波数分割多元接続方式も用いられ、これを携帯電話に組み込んで利用する例があり、日本国内でも同様の利用が想定されるとした。

 グローバルスターによる衛星通信は、AppleのiPhone 14シリーズが対応しており、米国やカナダなど海外の一部地域では、通常の地上局による電波が届かないシチュエーションでの緊急SOS発信に利用されている。

 なお、国内ではグローバルスターのCDMA方式には対応しており、今回の改正はSC-FDMA方式へ対応するためのもの。iPhone 14での衛星通信がどちらの方式を用いるものか、これまで明らかにされておらず、総務省でも今回の改正について個別の機種名を出すことはないとコメント。省令案が改正されれば、それに基づいてグローバルスターの新システムによる申請がされるとの見通しが示されている。