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グーグルが考えるAIとクリエイティビティの関係性は

 グーグル(Google)は、6月21日に公開した同社公式ブログ「The Keyword」で、リサーチ/テクノロジー&ソサエティ担当のシニアバイス・プレジデントであるジェームズ・マニーカ氏によるAIとクリエイティビティについての講演を抜粋し掲載した。

 マニーカ氏は、写真が登場した時代に、風景画や肖像画は衰退し芸術は終焉すると心配されたが結果は芸術の進歩につながったということを挙げ、AIも生産性を高め、想像力を開放する可能性があるとした。同社が考えるAIの可能性もまた、写真が誕生してその後に風景画・肖像画と異なる存在として共存した歩みと同じよう捉えていると説明する。

 AIの活用例には、「PaLM 2」と「MakerSuite」を使用した、YouTubeユーザーへの返信案の作成や、「StyleDrop」を使用したAndroidブランドのロゴとアイコンの生成、「DreamBooth」を使用したセルフィーの生成が挙げられた。

StyleDropを使用したAndroidブランドのスタイル
Googleクリエイティブラボ副社長、ロバート・ウォンのDreamBoothによるセルフィー

 マニーカ氏は、製品はAIによってのみ生まれるのではなく、好奇心や創造性、思いやりのある人間によってAIが利用され作られると説明。もっとも重要な要素はAIそのものではなく、人間の存在であり、そして同時に、AIに対して責任のあるアプローチが必要不可欠であると語る。創造的な人々が新たなチャレンジを進め、その上でルールを再発明していく。とにかくAIで遊び、新たなツールを試す。そこで見える可能性はどういったものなるのか――マニーカ氏の講演を紹介するグーグル公式ブログのエントリーは、「今はエキサイティングな時期。私たちが成し遂げられることは多くあり、同時に、私たちが正しく理解しなければならないこともたくさんある(It’s an exciting time right now. There’s so much we can accomplish and so much we must get right — together.)」という言葉で締めくくられている。