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NTT、「強靭性の高いネットワークの実現」に向けた取り組みとは

 NTT(持株)は28日、報道陣向けの説明会を開催し、「強靭性の高いネットワークの実現」に向けた取り組みを説明した。同社 執行役員 技術企画部門長の池田敬氏が登壇した。

 なお、この説明会は、すでに本誌が報じたNTT東西の説明会に続いて、第二部として開催されたものになる。

池田氏

 池田氏は冒頭で、NTT東西で4月に発生した通信障害について謝罪した。

 同氏は続けて、NTTグループで発生した通信障害の事例を紹介。先述のNTT東西における障害に加え、NTT西日本(2022年8月)、NTTドコモ(同12月)の事例が紹介された。

グループ横断で再発防止へ

 こうした障害の再発防止に向け、NTTはグループ横断で総点検をし、対策を進める。「以前から同様の(グループ横断の)取り組みはあった」と池田氏。

 同氏は続けて「想定外のことは必ず起こる」とコメントした。たとえばトラフィックがいきなり3倍になるなど、極端な異常を想定しつつ、“想定外”の事象に備えていく。具体例としては、大量のトラフィック流入に対して適切な規制をかけ、障害を未然に防ぐ取り組み(フェールセーフ)などが挙げられる。

 また、NTTグループでは各社がさまざまな取り組みを実施しており、優良事例を水平展開することで、グループ全体の改善につなげる。

設備増強などに対する投資も

 NTTグループでは、コスト面も考慮しながら設備の増強などを進めていく。2022~2025年度までに1600億円規模の投資が想定されている。

 コンシューマー向けサービスの価格維持について問われた池田氏は、「半導体不足などの影響がある」とコメント。続けて「我々はいわゆるフラットレート、定額制でサービスを提供している。昨今、トラフィックが増えるなかで設備を増強しなければいけないことを考えると、同じ品質条件であってもコストの効率化が求められている。利用者に負担いただくことも考えられるが、技術や経営努力によって、なるべく料金を上げないようにしたい」と語った。

情報発信体制の強化

 利用者に対する情報発信体制としては、公式SNSなどの発信チャネルの多様化を図った。障害発生から30分以内に、確実に第一報を出すことを目指す。

 利用者への周知体制に関連する質問として、「NTTドコモでは都市部で通信がつながりにくいという声もある。利用者への周知が不足していた部分もあるのでは」というものがあった。これに対して池田氏は「SNS上の声を拾い、サービス強化につなげることもしっかりやっていきたい」と語った。

冗長化ソリューションの充実へ

 さらに高い通信品質を求める利用者に対しては、BCP(事業継続計画)を強化するソリューションのラインアップを充実させる。たとえば法人向けに「Active Multi-access SIM」が発表されており、6月にトライアルが始まる予定。

 すでにKDDIとソフトバンクが提供している個人向けの「副回線サービス」について、池田氏は「準備は進めているが、詳細を報告できる段階ではない」とコメント。「近日中になんらかのかたちでお話ができるのではと思っている」と含みをもたせた。