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日本上陸10周年のアンカー、新製品発表会で示された次世代への取り組み

 アンカー・ジャパンは19日、イベント「Anker Power Conference 2023 Spring」を開催した。充電器など各種新製品が発表されており、本日より順次発売する。

 発表会の場には、アンカー・ジャパン 代表取締役 CEOの猿渡歩氏が登壇。同社の歩みについて語った。各製品の詳細は別記事に詳しい。

売上が大きく伸長

 猿渡氏によれば、同社は日本での展開以来、順調に売上を伸ばしており、2022年度は350億円にまで達した。その内訳としては、キャンプなどで用いられる「ポータブル電源」が大きく貢献しており、前年比で2倍以上の売上を積み上げた。

 あわせて窒化ガリウムを採用したスマートフォンやノートパソコン向け充電器も売上に貢献したとして、ポータブル電源とAC充電器の好調さをアピールした。

左=アンカー・ジャパン 猿渡氏

 ECサイトでモバイルバッテリーを販売するところから出発したアンカーだが、現在ではsoundcoreやeufy、nebula、MACHもあわせた全5ブランドを展開。総合ハードウェアメーカーへと変貌を遂げた同社の現在の姿を強調する。各ブランドではイヤホンやスピーカーといったオーディオ機器のほかプロジェクター、ロボット掃除機などの家電製品など幅広いラインアップを取り揃えている。

顧客接点を強化

 製品の拡大にならび、販路も拡大を図る。公式オンラインストアのほか、リアルな顧客接点としてセブン-イレブンでの販売に加え、直営店「Anker Store」も全国に拡大。現時点で19店舗を展開しており、4月28日には北海道札幌市の札幌ステラプレイスに新店舗をオープンする予定であることが明かされた。

 あわせて、法人ビジネスも強化。法人ユーザー専用のWebサイトも立ち上げた。法人向け価格の表示や見積もり、請求書発行などがワンストップで完結する。これにより、法人ユーザーが同社製品を購入しやすい環境づくりを整え、BtoBでの存在感を高める。

 アンカー・ジャパン マーケティング本部長の吉野優希氏によれば、モバイルバッテリーの売れ筋は1万mAh前後のモデル。スマートフォンのバッテリーの大容量化などにともない、モバイルバッテリーに求められる容量も大きくなりつつある。

 同社では今回「Anker 533 Power Bank」を1万mAhモデルとして新たにラインアップ。このほかにも2万mAhモデルとして「Anker 335 Power Bank」や5000mAhモデル「Anker 621 Power Bank」なども取り揃える。

 さらに、これまで「Anker PowerHouse」としていたポータブル電源は新たに「Anker SOLIX」(アンカー・ソリックス)としてリブランド。スペイン語で太陽という意味の「SOL」(ソル)に由来する造語で、ソーラーパネルとの連携をより一層アピールする狙い。

 くわえて、ポータブル電源で培った技術をもとにしたポータブル冷蔵庫「Anker EverFrost」も発表された。庫内の容量別に3モデルが用意されており、デバイスの充電に利用できるUSBポートも用意するなどアンカー製品らしい特徴も備える。

 このほか、soundcoreブランドからは空間オーディオ対応のポータブルスピーカー「Soundcore Motion X600」やEufyからしつこい汚れも落とせる「Eufy Clean X9 Pro with Auto-Clean Station」、MACHから掃除機「MACH V1/V1 Ultra」「MACH R1 Ultra」なども発表された。

USB Type-C普及への取り組み

 新製品の発売と並行して、「USBType-CならAnker」としてUSB Type-Cの普及を促進する取り組みも進める。

 スマートフォンやワイヤレスイヤホンなど、多くの機器でUSB Type-Cの採用が進んでいるが、アンカーによれば充電器側でのType-C普及は一定の壁をむかえている。スマートフォンに付属のUSB Type-A採用などの古い充電器をそのまま使い続けているユーザーは一定数いるという。

 Type-C全盛の時代にも見えるが、スマートフォンなどのガジェットに詳しくない層にとっては必ずしもそうではなく、高速充電が可能など多くの魅力を持つType-Cの魅力を伝えるべく、アンカーでは独自の活動を進める。

 その取り組みのひとつとして発表されたのが「購入サポートキャンペーン」。4月20日~5月21日の期間中、直営店であるAnker Storeに使わなくなった充電器やモバイルバッテリー、カーチャージャーを持ち込むと、対象のType-C搭載製品が10%オフで購入できる。持ち込む充電器などは他社製でも故障していても受け付ける。

 アンカーによれば、今回の取り組みはあくまで第1弾。詳細は未定としつつも今後、さらなるType-C普及に向けた活動を行っていく予定だという。

 猿渡氏は、アンカーが日本で展開を始めてから10年を迎えたことに触れ「これまでの10年のサポートありがとうございました。皆様の期待に応えられるよう、これからの10年も駆け抜ける」と決意を示した。