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ドコモから「dスマートバンク」、dポイントが貯まるデジタル口座サービス

 NTTドコモと三菱UFJ銀行は、デジタル口座サービス「dスマートバンク」の提供を開始した。

ドコモがデジタル口座サービス開始

 dスマートバンクは、dカードの利用代金や携帯電話料金などの引き落としや月10万円以上の給与受取などの利用でdポイントが毎月50ポイント、年間最大660ポイントたまるデジタル口座サービス。

 サービスとしては、三菱UFJ銀行の口座とドコモが提供するアプリの2つで成り立つ。専用アプリ「dスマートバンクアプリ」でdアカウントと三菱UFJ銀行の口座情報を紐づけることで利用できる。口座残高を「おサイフ」と「貯金箱」に分けられるという特長があり、生活費や各種支払を「おサイフ」で、お金を貯めるときには目的に応じた「貯金箱」を作成でき、そこへ貯められる。貯金額や貯金頻度は自由に設定できる。

 給与や年金をdスマートバンクで受け取ると、毎月dポイントが5ポイント受け取れるほか、携帯電話やdカードの利用料金など最大で年間最大600ポイントを受け取れる。これにより、合計で年間最大660ポイントの還元が受けられる。ただし、携帯電話料金などで付与されるポイントは登録3年後以降は年間最大300ポイントとなる。

 スーパー普通預金(メインバンク プラス)の特典である、三菱UFJ銀行ATMの時間外手数料無料や提携先コンビニATMの手数料が一定回数まで無料になる特典なども利用できる。

THEO+など連携で資産掲載をサポート

 資産形成のサポートとして、すでに提供している「THEO+ docomo」と連携した「はたらく貯金箱」を利用できる。貯金箱で貯蓄に慣れたユーザー向けとされており、プロとAIに任せた資産運用ができる。

 キャンペーンなどのメッセージを受け取れるほか、ドコモの携帯電話料金の引き落としに設定すれば、引き落とし予定額が口座残高を上回る場合、事前に知らせるなどの機能を利用できる。

 利用には三菱UFJ銀行のスーパー普通預金(メインバンク プラス)が必要。口座がない場合はアプリ内から開設の申込みとdアカウントの紐づけができる。口座がある場合は、専用アプリにログイン後にアカウントと口座の紐づけをすぐに開始でき、支店や口座番号の変更などは必要ない。

キャンペーンも開始

 サービス開始を記念して、3つキャンペーンが開催されている。いずれもキャンペーンサイトからエントリーが必要。キャンペーン期間はいずれも2023年3月31日まで。

 「dスマートバンクTMからの三菱UFJ銀行口座新規開設特典」では、期間中、専用アプリから口座開設を完了すると、全員にdポイントが1000ポイント付与される。12月12日~2023年1月31日までに条件を満たすと2023年2月中旬に、2023年2月1日~2023年3月31日までに条件を満たすと2023年4月中旬にポイントが付与される。

 「d払いR残高チャージ口座設定特典」では、期間中にd払い残高のチャージ方法にdスマートバンク登録口座を設定・維持することで全員に200ポイントが付与される。2023年2月1日~2023年3月31日までに条件を満たすと2023年4月中旬にポイントが付与される。

 「dカード利用代金の引き落とし特典」では、期間中、dカードの利用料金の引き落とし講座にdスマートバンク登録の口座を設定し、500円以上の引き落としが1回以上あると、抽選で50人に1万ポイント、5000人に100ポイントが付与される。2023年2月28日までに引き落とし口座の設定が完了し、引き落としを完了すると20人に1万ポイント、2000人に100ポイントが2023年4月中旬までに付与される。2023年3月31日までに口座設定が完了し、5月31日までに引き落としが完了すると30人に1万ポイント、3000人に100ポイントが2023年7月中旬までに付与される。

将来的にはd払いアプリと一体化も

 NTTドコモ スマートライフカンパニー ウォレットサービス部 バンクサービス担当部長の色川州平氏は、今回のサービス開始にあたり同社が新たに「金融サービス仲介業」と「電子決済等代行業」2つのライセンスを取得したことを説明。

 これによりドコモが主体となり、サービスを訴求できることや円普通預金口座開設に関する問い合わせ受付、アプリ上で口座情報を表示できるようになったという。実際の口座開設やネットバンキング機能は、三菱UFJ銀行が提供しており、両社の連携で今回のサービスが実現した。

 色川氏は「dスマートバンクで提供したいことは『お金と上手に付き合える体験』」として「どんな状況にあっても不安やストレスなく、日々の生活を楽しめる世界をdスマートバンクとそれにつながる金融サービスを通じてサポートしたい」と語った。

 同サービスは無料での提供。色川氏は、このサービス自体で利益を生むのではなく既存の決済や保険、投資サービスなどのドコモの金融サービスに連携することで送客に注力し、収益を活性化すると説明した。

 dスマートバンクでは今後、振替や振込などさらなる機能強化も検討するとされている。

 競合他社では、独自に銀行を立ち上げ金融関連サービスを提供する一方、ドコモでは、銀行との連携でサービスを立ち上げている。今後、ドコモが独自に金融サービスを提供する可能性について問われた色川氏は「現時点では想定していない」と説明。「ドコモとして提供したい価値は『ユーザー接点に近いところで便利な体験を届けたい』ということ。銀行業をゼロから始めるのではなく、国内最大基盤を持つ三菱UFJとの連携で、早期にサービス体験を届けることが重要」と説明。三菱UFJ銀行が「BaaS」(Bank as a Service)の構築を検討していた時期と重なったことから、今回の2者連携でのサービス提供に至った。

 三菱UFJ銀行 デジタルサービス推進部次長の加藤貴也氏は「より利便性が高いサービスといった観点でドコモ協議していく」とコメント。すでにドコモが提供しているものや三菱UFJ銀行のサービスを含めて「どのようなサービスが最適かを議論していく」と説明した。

 加えて、d払いアプリとの統合の可能性についても示唆された。d払いへのチャージ口座としてdスマートバンクを使ってもらいたいという狙いを示し「将来的なUX(ユーザー体験)の一体化を意識しつつ、今後開発を進めたい」との展望が示された。

 このほか、政府が進める、キャッシュレス決済サービスなどでの給与受け取り(デジタル給与払い)についてはユーザーのニーズや政府からの指針なども見極めつつ対応するとコメントした。