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アップル、「macOS Ventura」を発表――“ステージマネージャ”などの新機能

 米アップル(Apple)は、macOSの最新バージョンとして「macOS Ventura」を発表した。「ステージマネージャ」「連係カメラ」などの新機能を搭載する。

 まずは開発者向けのベータ版の提供が始まった。その後、7月中にMacユーザーへパブリックベータ版が提供される。また、今秋には無料のソフトウェアアップデートとして提供される予定。

「ステージマネージャ」

 「ステージマネージャ」は、ユーザーの作業効率化を助ける新機能。開いているアプリケーションやウィンドウを自動的に整理し、作業中のウィンドウ以外は画面左側に表示される。

 ウィンドウのグループ化に対応しているほか、「Mission Control」や「Spaces」など、macOSのその他のウインドウ管理ツールとの連携もサポートする。

「連係カメラ」

 「連係カメラ」を使うと、MacユーザーはiPhone XR以降のiPhoneを、Webカメラとして利用できるようになる。近くにiPhoneがあれば、MacがiPhoneのカメラを自動的に認識する。

 iPhoneとMacのワイヤレス接続にも対応するほか、センターフレームやポートレートモード、スタジオ照明などのエフェクトもサポートする。iPhoneの超広角カメラを利用し、ユーザーの顔と机上を同時に表示するデスクビューも利用できる。

 センターフレームとデスクビューは、iOS 16を搭載したiPhone 11以降で利用でき、スタジオ照明は、iOS 16を搭載したiPhone 12以降で利用できる。

「Handoff」がFaceTimeにも対応

 連携機能の「Handoff」が、FaceTimeにも対応する。ユーザーは、Apple端末で開始したFaceTimeを、別のApple端末にシームレスに転送できる。

「Safari」に関するアップデートや新認証情報「パスキー」

 ブラウザ「Safari」では、「共有タブグループ」を使って、お気に入りのWebサイトや今見ているタブを共有できる。

 また、パスワードに代わる認証情報として設計された「パスキー」は、デバイス上に保持される固有のデジタルキーであり、サーバー上には保存されない。生体認証にTouch IDまたはFace IDを用いることで、シンプルかつ安全にサインインできるしくみ。

「メール」や「メッセージ」のアップデートなど

 「メール」において、ユーザーがクリックして検索しようとすると、最近のメールや連絡先、書類などが表示され、探しているものが見つけやすくなる。

 また、メールの送信予約ができるほか、送信後最大10秒以内であればメールの送信も取り消せる。

 「メッセージ」には、送信してから最大15分間にわたって、メッセージを編集したり取り消したりできる機能が追加される。また、削除してから最大30日間であれば、削除したメッセージを復元できる。

 そのほか、ユーザーはメッセージ内から「SharePlay」のセッションに参加できるようになる。

 「Spotlight」には、ファイルをすばやくプレビューできる「クイックルック」などが搭載される。

その他の機能

「macOS Ventura」におけるその他の機能
  • システム全体の画像の中のテキストを認識する「テキスト認識表示」が、一時停止したビデオフレーム内のテキストと、韓国語と日本語のテキストにも対応。ユーザーは画像から対象物を抜き出して別のアプリに配置することもできる。また、「画像を調べる」の認識機能は、動物、鳥、昆虫、彫像、その他のランドマークに拡張される
  • iPhoneの「天気」と「時計」アプリが、iPhone向けの機能を搭載した状態でMac向けに最適化される
  • 新しい「アクセシビリティ」ツールとして、すべての音声コンテンツのためのライブキャプション、VoiceOverユーザーの校正をサポートするテキストチェッカーなどが含まれる
  • 「システム設定」は「システム環境設定」となり、操作しやすくすっきりとしたデザインになる
  • 再起動しなくても簡単にセキュリティを最新の状態に維持する「スピーディーなセキュリティ対応」など、Macの攻撃への耐性をさらに高める新しいツールが搭載される