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アンカーの新製品が続々登場「Anker Power Conference」――3Dプリンターや最新充電製品など

 アンカー・ジャパン(Anker)は、13日にプレス向け発表会「Anker Power Conference -’22 Spring」を開催した。発表会では、今後登場する新製品が発表されたほか、アンカーの新ブランドや今後の展開について説明された。

売上高300億円を達成、高い成長を遂げる

代表取締役CEOの猿渡 歩氏

 同社代表取締役CEOの猿渡 歩氏は「2013年の創業から6年目には売上高100億円、その後2年後には200億円を超える売り上げに到達した」と成長ぶりをアピール。昨年の2021年には300億円という数字を作ることができたという。

 前年比40%以上の高い成長率は、「強みのあるEC」や「実店舗などのオフライン」など販路改善の取り組みを続けてきた成果でもあると強調。分野別では、「Anker」(充電分野)と「Soundcore」(サウンド分野)で30%台、「eufy」(スマートホーム分野)と「Nebula」(プロジェクター分野)では、70%を超える成長率を記録した。

 製品面では、2万円以下のノイズキャンセリング機能付きフルワイヤレスイヤホンと、プロジェクター製品で販売数第1位を記録。充電製品でも世界でもトップクラスのブランドに成長したという。

在宅勤務のスマート化とクリエイターをサポートする新ブランド

 猿渡氏は、アンカーのサブブランドとして、「AnkerMake」と「AnkerWork」を新たに立ち上げることを発表。あわせて、両ブランドの新製品が披露された。

AnkerMake

 「AnkerMake」は、クリエイターをサポートする製品を輩出するサブブランド。

 第1号製品として発表された家庭用3Dプリンター「AnkerMake M5」について、マーケティング本部長の吉野 優希氏は「コンセプトは、『クリエイターの持つクリエイティビティ』を最大限発揮するのをサポートすること」と説明、「長い待ち時間」と「出来映え」に対するユーザーの不満を、アンカーがこれまで培った技術で解決した製品という。

 早さや出来映えの良さはもちろん、AIカメラ搭載で造形中のタイムラプス撮影や、モデルと造形物との誤差を検知し途中で中止する機能などを備えている。

 製品自体の組み立ては、箱を開けてから15分程度で完了できるほどかんたんで、誰にでも扱いやすいようになっている。ノズルと天板の位置調整や造形精度を上げる各種調整も自動で行われるため、誰でも簡単に高精度の造形を行えるとしている。

AnkerWork

 アンカーでは、働き方の変化に先駆けて2020年2月から会議用スピーカーやWebカメラなど製品カテゴリーを広げてきた。今後もリモートワークが継続することを踏まえ、仕事環境をよりスマートにするべく立ち上がったブランドが「AnkerWork」だと吉野氏は説明する。

 今後の新製品として、新Webカメラ「AnkerWork B600 Video Bar」が発表された。

 カメラ機能はもちろん、スピーカー、マイクや顔を明るく照らすライトも備わっており、「4-in-1の多機能モデル」だという同製品では、最大2Kの高画質に対応する。また、マイクはノイズを抑え通話相手にストレスを与えない「VoiceRadar技術」を備えている。

既存ブランドの新製品も続々登場

スマートホーム分野から「お掃除ロボット」「屋外カメラ」

 スマートホームブランド「Eufy」の新製品で取り上げられたのは、ダストボックスを備えた自動掃除ロボット「Eufy RoboVac L35 Hybrid+」とAIセンサー搭載の屋外ワイヤレスカメラ「EufyCam 2C 1-Cam Kit」。

Eufy RoboVac L35 Hybrid+

 「EufyCam 2C 1-Cam Kit」では、半年間もつというバッテリーを内蔵しており、映像伝送ともに完全ワイヤレスを実現。また、AIセンサーを搭載し、人物と顔を検知しスマートフォンに通知を出すこともできる。

EufyCam 2C 1-Cam Kit

Apple Find My対応のトラックカード

 また、スマートトラックカード「Eufy SmartTrack Card」と「Eufy SmartTrack Link」を今秋発売することを発表した。

Eufy SmartTrack Card/Link

 2製品は、落としたり持ち主から離れた際に通知する機能や、背面のQRコードにメールアドレスなどを登録することで拾った人から連絡を受けられる機能などを備える。

 また、アップル(Apple)のiPhoneなどを活用した落とし物検索システム「Apple Find My」にも対応するとし、これらを月額料金無料で利用できると吉野氏はアピールする。

充電/プロジェクターの新製品

小型充電器「Anker 711/725/736 Charger」を発表

 事業戦略本部長芝原 航氏からは、充電/プロジェクター分野の新製品が発表された。

事業戦略本部長芝原 航氏

 既存の急速充電器をさらに小型化した製品「Anker 711/725/736 Charger」を発表した(711は発売済)。

 711は最大30W給電でUSB Type-C×1、725は最大65W給電でUSB Type-CとUSB-Aが1つずつ、736は最大100W給電でUSB Type-C×2とUSB-A×1つを備える。

MagSafe対応ワイヤレス充電器

 「Anker 633 Magnetic Wireless Charger(MagGo)」は、本体上部にMagSafe対応iPhoneとスタンド部でワイヤレス充電対応のフルワイヤレスイヤホンなどを充電できる。上部のiPhoneを接着できる部分は取り外すことができ、取り外すとMagSafe対応のモバイルバッテリーとなる。

 通常時はMagSafe対応充電器として利用でき、外出時にはそのままモバイルバッテリーとして持ち運べる。モバイルバッテリーの容量は5000mAh。

 スタンドが付属しないモデル「633 Magnetic Battery(MagGo)」も6月上旬ごろに発売される。こちらのバッテリー容量は1万mAh。

ドライヤーも使えるポータブル電源

 ポータブル電源の新製品として「757 Portable Power Station(PowerHouse 1229Wh)」を発売する。

 重量が20kg近くと少々重めではあるが、アンカー史上最大の1229Whのバッテリー容量がありコンセントから最大出力1500Wに対応する。ACコンセントを利用すれば、ドライヤーや電子レンジなど、高い電力を必要とする機器も利用できるという。

 また、電池セルに電池寿命の高さと安全性が特徴の「リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用しており、一般的なポータブル電源の約6倍の長寿命を実現している。

Nebulaからはシーリングプロジェクターとレーザープロジェクターが登場

 Nebulaからは、シーリングプロジェクター「Nebula Nova」が登場。フルハイビジョン画質対応で天井照明として取り付けできる。本体には10Wのスピーカーが2つ搭載されており、臨場感あるサウンド体験ができる。

 また、Nebula初のレーザープロジェクター「Cosmos Laser」と「Cosmos Laser 4K」を6月8日に発売する。前者はフルハイビジョン、後者は4K画質に対応し、2400ルーメンの明るさでさまざまな色表現ができるとしている。

オーディオグラスが新登場

 Soundcoreの新製品として、オーディオグラス「Soundcore Frames」シリーズが発表された。

 耳を塞がずに音楽が楽しめる同シリーズでは、スポーツやアウトドアのシーンに最適なサングラスタイプ「Frames Landmark」とリモートワーク中などに最適なブルーライトカットタイプ「Frames Cafe」をラインアップ。

 どちらも2つのスピーカーでクリアなサウンドを体験できるほか、マイクも備えているためハンズフリーでの通話やWeb会議などで利用できる。

ユーザーとの接点機会拡大へ「アプリ」と「LINEアカウント」を発表

 発表会の最後には、再度代表取締役CEOの猿渡氏が登場。創業当時からユーザーとの接点は拡大しているが、今後もユーザーサポートの拡大などユーザー体験価値の向上に向け、アンカー・ジャパン公式スマートフォンアプリとLINE公式アカウントを13日に提供開始した。

 アプリでは、オンラインショップとオフラインとのポイント共通化などで、よりシームレスな購買体験を提供するほか、公式LINEアカウントで迅速なサポートを提供するという。

命名規則など主な質疑

 発表会後の質疑では、「757などの命名規則について詳しく教えてほしい」という質問があった。

 これについて、マーケティング本部長の吉野氏は「数カ月前から製品の名称ルールを変更し、お客様により選びやすくなるため変更させていただいた」とコメント。具体的には、同じカテゴリーで「700番台」にかけてハイスペックモデル、逆に「100番台」にかけては手頃な値段でシンプルなスペックの製品に対して命名するとしている。

マーケティング本部長の吉野 優希氏

 また、「売り上げ300億円に対する受け止め」を問われた猿渡氏は「充電分野の売り上げは全体の半分以下となっている」ことを明らかにした上で「チャージカテゴリーが伸びていないのではなく、ほかのカテゴリーがしっかりと伸びてきている」と説明。バッテリーだけでなくデジタル総合機器メーカーとしていい経験ができたとコメントした。

代表取締役CEOの猿渡 歩氏

 「なぜ3Dプリンター市場に参入したのか」という問いには、吉野氏が回答。「まだまだポテンシャルのある市場カテゴリー」と捉えていることを踏まえ、プロジェクターを例にあげ「数年前は会議室にある白い箱をイメージする方が多かったと思いますが、3~4年前に『Nebula Capsule II』を発売してから一般化した」と説明。これまで自分事でなかった製品を身近に感じ生活が豊かになったりスマート化したりできることを期待し、今回の参入に至ったとした。

今回発表された製品