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テレフォニカとNEC、独ミュンヘンでO-RAN技術のスモールセルを展開

 NECは、ドイツの通信事業者テレフォニカドイツと共同で、ドイツ初となるオープン化された仮想化基地局(virtual Radio Access Network、以下vRAN)のアーキテクチャに基づくスモールセルを展開したと発表した。

 スモールセルを活用したサービスは、ドイツのミュンヘン市街地中心部で開始された。利用者の多い都市部において、既存のモバイルネットワークに今回のスモールセルのサービスを補完することで高密度化やネットワークの大容量化を図り、顧客体験の向上を実現するという。

 NECは、テレフォニカがサービスを提供するスペイン、ドイツ、英国、ブラジル4カ国のプライムシステムインテグレータとして、Open RANを都市部や郊外、農村地域など様々な地域やユースケースに適用する取り組みを進めている。

 同社はOpen RANの利点の1つとして、ネットワーク装置を提供するベンダーをより広い選択肢から選べることを挙げている。今回同社は既存のシングルベンダーベースのマクロセルを補完するために、Airspan NetworkのAirspeedソリューションと楽天シンフォニーのOpen vRANソフトウェアによるマルチベンダーの基地局構成として、スモールセルを実現した。

 既存のマクロセルにOpen RANのスモールセルを組み合わせることにより、5Gの高密度化の可能性が広がる。特に様々な産業が盛んであるドイツでは、複数の業種や企業が特定のエリアで専用5Gサービスを利用することが検討されており、こうしたケースにおいて特に有効な方法としている。

 テレフォニカドイツとNECは、5G時代に優れた顧客体験を効率的に提供する高度なネットワークを検証・展開するため、革新的なOpen RAN技術と自動化の活用に向けた協業を各種パートナーとの連携を含めて今後も継続していくという。