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キャッシュレス決済の不正利用情報を事業者間で共有、被害拡大を防ぐ試み

 キャッシュレス推進協議会は、不正利用関連情報確認データベース「CLUE(Cross-referencing List of User’s Encrypted data)」を構築する。運用開始は2022年度中となる予定。

 キャッシュレス決済サービスの不正利用被害の拡大防止を目的としたもの。ある決済事業者で発覚した不正利用に関する情報を同データベースに登録し、ほかの事業者からも確認できるようにする。

キャッシュレスサービスの不正利用を事業者間で共有

 「CLUE」は、カウリス社の技術協力を得て構築する。初期メンバーとして、NTTドコモ、KDDI、コモニー、ファミマデジタルワン、LINE Pay、楽天ペイメントが参画を計画している。今後、CLUEは残る課題を解決し、関係省庁や有識者などと相談を行った上で、2022年度中の運用開始を目指す。

 スタート時点での参画事業者はコード決済事業者のみだが、キャッシュレス決済サービス、ECサイトなどのオンラインサービスの提供事業者も参画することで、不正利用に関連する情報が集約され、データベースとしての価値が高まる。このため、CLUEではオンラインサービスを提供しているあらゆる事業者へその利用を開放するという。

 CLUEに登録される情報は、不正利用に関連する情報のみで、正常なアカウント情報や取引に関する情報は含まれない。また、登録されるすべての情報は不可逆変換されるため、登録した事業者以外はその内容を確認できない。ほかの事業者は、照合したい情報の有無のみが確認できる。

 また、参画する事業者は、自社サービスにおける不正利用の可能性があるかを確認する目的に限り利用可能であり、この目的以外での利用は禁止されているという。