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新クレカ「三井住友カード Tile」の中身や開発の経緯は? 三井住友カードとSB C&S担当者が説明

中央は三井住友カード 常務執行役員 マーケティング本部長の佐々木 丈也氏、右がSB C&S CX事業本部 サービスデザイン本部 副本部長の本松 晋作氏、左が同取締役 常務執行役員兼IoT・サービス事業本部長の瀧 進太郎氏

 三井住友カードとSB C&Sは16日、探し物トラッカー「Tile(タイル)」機能を搭載したクレジットカード「三井住友カード Tile」を共同開発したと発表した。発行手数料は5500円、年会費は1375円(初年度は無料)で、初回は1500枚限定で発行される。

 発表会では、三井住友カードとSB C&Sの担当者から、発行に至った経緯や「三井住友カード Tile」の詳細などが語られた。

「三井住友カード Tile」の特徴

 「三井住友カード Tile」は、探し物トラッカー「Tile」の機能やバッテリーを内蔵しながらもカードの厚さをほかのクレジットカードと同等の0.76mmに押さえられている。

 機能は、ほかの三井住友カードと同様にICチップによるクレジット決済(IC、タッチ決済)と、Tileの機能、Tile機能用の薄型バッテリーが搭載されている。ICチップは、決済のほかバッテリーへの給電端子を兼ねており、専用充電器を利用して約2~3時間の満充電で約半年間利用できる。

 カードにはTile機能のスピーカーと小型スイッチが搭載されており、紐付けたスマートフォンアプリでカードのスピーカーから音を鳴らすことや、逆にカードのスイッチを押下することでスマートフォンから音を鳴らすこともできる。

 カード自体は1000回以上の屈曲テストをクリアしており、決済に利用できる認証も取得している。ただし、ATMなどカード自体が機会の中に吸い込まれる形式のカードリーダーでは利用できないと案内している。同様の理由でキャッシングサービスも利用できない。

 カードのデザインについて、SB C&S CX事業本部 サービスデザイン本部 副本部長の本松 晋作氏によると、さまざまなデザインが検討されたという。なかには、半透明のデザインで中のチップや回路などが透けて見られるデザインも候補に挙がったが耐久性が低く採用されなかったとコメントした。

カード開発の経緯「紛失が心配」という声

 三井住友カード 常務執行役員 マーケティング本部長の佐々木 丈也氏は、コロナ渦により旅行など決済金額は減少したものの、コンビニなど少額決済の増加で、決済件数はコロナ前の約1.3倍となったと説明。

 そのなか、消費者庁が実施したアンケートによると、キャッシュレス決済を利用する上での不安点トップ2が「個人情報の流出や不正被害への懸念」「カードなどの紛失や盗難への懸念」だったと指摘。

 三井住友カードでは、カードを利用するごとにアプリで通知される「ご利用通知サービス」やカードを使わないときにカード利用可否をオンオフできる「あんしん利用制限サービス」などのサービスで、ユーザーの不安点を払拭してきたという。

 また、カード自体にカード番号を印字しないナンバーレスカードや物理カードそのものを発行しないカードレスのサービスなどを行っている。

 今回は、これらのサービスに加えて「カードの位置がわかる」とともに、カードを入れている「財布ごと」位置がわかる、見つけられるようになるとした。